2012年大会の旧5区のタイムを計りました
山の竜神・柏原竜二選手のラストランを目当てに小田原まで出向き、旧5区部分のタイムを計測しました。そのタイムは1時間09分23秒でした。
今井正人選手が残した旧コースの区間記録1時間09分12秒には少し届かなかったものの、2.5キロの距離をハイペースで走った後のタイムとしては驚異的なものでした。
計測の方法は昨年と同様のポイントで計りました。今年は20選手すべてを計りましたのでそのタイムと通過時刻を公開します。
まず計測したポイントについて説明します。
現在の5区の2.5キロ地点にある、かまぼこ屋の鈴廣。その前の道路にある、駐車禁止の標識が立っている柱を計測ポイントにしました。この写真の左端に見える物体はおそば屋さんの看板の様な物です。
おそば屋さんの看板の様な物があります。写真の右端が歩道で、さらに右に行くと上記の駐車禁止の標識があります。
これは氷川優気の勝手な予想ですが、旧小田原中継所の場所は、写真の車が写っている辺りでタスキを渡していたのではないかと思います。
鈴廣の近くにこの標識があります。この標識から数十メートル箱根方向に進むと上記の駐車禁止の標識があります。
少し距離を離してもう一枚。この写真には駐車禁止の標識も小さく写っています。
計測方法は、前年同様に旧小田原中継所と思われる場所にあるポイントを選手が通過した時刻をメモしました。
使用した電波時計はスマートフォンやパソコンで見れる標準時刻と一致しているのを確認しています。
往路は朝8時に全チームが一斉にスタートしますから、例えば東洋大の往路タイム5時間24分45秒は、13時24分45秒の時刻に芦ノ湖にゴールしたという事になります。旧中継所の通過時刻と芦ノ湖のゴール時刻を照らし合わせれば、旧中継所〜芦ノ湖のタイムがわかります。
秒未満の単位は切捨てています。例えば早稲田大は12時17分24秒と25秒の中間くらいに通過していましたが、24秒としました。
前置きが長くなりましたが、それでは発表します。
まずは通過時刻です
東洋大学 12時15分22秒
早稲田大学 12時17分24秒
明治大学と駒澤大学 12時17分54秒
城西大学 12時18分38秒
東海大学 12時18分45秒
中央大学と青山学院大学 12時18分58秒
山梨学院大学 12時19分23秒
日本体育大学 12時20分04秒
順天堂大学 12時21分04秒
関東学連選抜 12時21分11秒
國學院大學 12時21分25秒
国士舘大学 12時21分46秒
拓殖大学 12時23分12秒
上武大学 12時23分38秒
神奈川大学 12時25分02秒
帝京大学 12時26分35秒
東京農業大学 12時26分54秒
中央学院大学 12時26分58秒
旧中継所〜芦ノ湖の20.9キロの個人タイム
1位 柏原(東洋) 1時間09分23秒 (現中継所から旧中継所までの2.5キロのタイム7分16秒)
2位 大江(明治) 1時間12分12秒 (7分22秒)
3位 山本(早大) 1時間12分28秒 (7分24秒)
4位 小堀(神大) 1時間13分23秒 (7分43秒)
5位 井上(駒大) 1時間13分34秒 (7分21秒)
6位 寺田(國學) 1時間13分37秒 (7分29秒)
7位 田村(城西) 1時間13分39秒 (7分30秒)
8位 松本(山学) 1時間13分48秒 (7分45秒)
9位 吉村(選抜) 1時間13分57秒 (7分32秒)
10位 田中(中学) 1時間14分58秒 (7分32秒)
11位 小嶺(青学) 1時間15分00秒 (7分34秒)
12位 小山(帝京) 1時間15分19秒 (7分40秒)
13位 園田(上武) 1時間15分55秒 (7分10秒)
14位 中山(国士) 1時間16分08秒 (7分46秒)
15位 早川(東海) 1時間16分09秒 (7分13秒)
15位 西郷(順大) 1時間16分09秒 (7分43秒)
17位 鈴木(日体) 1時間16分44秒 (7分33秒)
18位 井口(中大) 1時間18分08秒 (7分34秒)
19位 横山(拓大) 1時間19分37秒 (7分39秒)
20位 津野(東農) 1時間39分08秒 (7分41秒)
感想
柏原選手のタイムは惜しかった!1時間09分23秒は、かつての今井正人選手が残した旧コースの最高記録1時間09分12秒に少し届かず。
しかし、2.5キロの距離を7分16秒で走った後の計測なのですから、事実上は柏原選手のタイムの方が価値が上と言って間違いないと思います。現中継所の標高は10メートルであり、旧中継所の標高は40メートル。30メートルの標高差を上る2.5キロの距離を、1キロ当たり2分54秒のペースで走った後の計測ですから。
柏原選手の現在の5区の23.4キロの区間タイムは1時間16分39秒。これを旧コース20.9キロに換算すると1時間08分27秒になります。柏原選手が旧中継所〜芦ノ湖間の20.9キロの距離で、すべてのパワーを出し切ればこれくらいのタイムが出ても不思議ではないと思います。
旧中継所〜芦ノ湖の間を4番目に良いタイムで駆け抜けた神大・小堀選手は入りの2.5キロのタイムでは、下から3番目の7分43秒というスローなタイム。90年代に、前半を抑えて守りの走りで好タイムを出し、箱根と全日本を2連覇ずつした神奈川大学の戦法は今でも健在のようです。
入りの2.5キロが最も早かったのは上武大の園田選手で、柏原選手をも6秒上回る7分10秒というタイムでした。
最後に、雑誌「月刊陸上競技」2012年2月号によると、柏原選手は旧5区部分を、今井正人選手のタイム1時間09分12秒より、数秒遅いタイムで走ったと書かれていました。
私の計測では11秒遅いタイムですが、11秒を「数秒」とは表現はしないでしょう。
陸上雑誌のタイムはプロが計ったタイムですから、素人の私よりは正確かもしれません。そうすると、私が旧小田原中継所としたポイントは数メートル間違えていて、タイムで数秒のずれがあると言う事になります。
実際の柏原選手のタイムは今井選手と比べて8〜9秒くらい遅いのかもしれません。そうすれば、陸上雑誌の記事と合ってきます。陸上雑誌が正確なタイムを公表してくれればすっきりするのですが、残念ながらそこまでは雑誌に書かれてはいませんでした。
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