2013年大会 山下り6区 駒沢大の千葉選手について

 

千葉選手は6区以外の区間へのコンバートを希望しているという記事を見た事がありますが、仮に2013年大会でも6区を走るのなら、千葉選手には2つの大記録の期待がかかります。

 

第1の期待 真の最高記録の更新

千葉選手は現行のコースの最高記録である58分11秒というベストタイムを持っていますが、しかし過去には千葉選手よりも上のタイムを残した選手もいました。

 

1999年に神大の中澤選手が出した58分06秒。

2000年大会を境に5区と6区は走るコースが一部変更になり、それ以降は中澤選手のタイムは正式な区間記録ではありませんが、旧コースで484メートルあった部分が、現在のコースで488メートルになっているだけですから、距離の違いはたったの4メートルしかありません。

 

さらに遡ると、1983年には日体大の谷口選手が出した57分47秒という記録もありますが、現在よりも距離が少し短い中でのタイムです。

谷口選手の時代は、現在と比べて100メートル短いという説が有力ですが、だとすれば現在の距離に換算すると58分ちょっとになります。

箱根駅伝の距離表示は100メートル単位なので、60メートルや140メートル違っていても、表示上は100メートル違いになってるかも知れません。

時代が時代ですし、今後も谷口選手と現在の選手を正確に比較するための情報は、多分出てはこないでしょう。

 

6区の真の最高記録保持者は誰なのか?この問題をすっきりと解決するための最善は、千葉選手に57分46秒以内のタイムを出してもらう事です。

現在のコースは、谷口選手の時代と比較しても、中澤選手の時代と比較しても、距離が長くなっているのは確実なので、長くなった現在のコースで57分46秒以内のタイムを出せば、明確な最高記録として認められるはずです。

千葉選手には、最後の箱根で山下り最強の選手としての証を箱根の山に刻み付けて卒業して欲しいと思います。

 

 

第2の期待 4年間合計最速記録

千葉選手は過去3年間、59分44秒、58分11秒、59分39秒と高いレベルの記録を出し続けていて、区間記録以外にも4年間を通じての合計最速記録の更新の期待もかかります。

 

現在のコースで4年間を通じて6区に出場し続けて、その4年間の合計最速タイムを保持しているのが中央大の野村俊介選手です。

野村選手の4年間の戦績

2002年 59分49秒(区間3位)

2003年 58分54秒(区間1位)

2004年 58分29秒(区間1位)

2005年 1時間00分01秒(区間1位)

野村選手の4年間の合計タイムは3時間57分13秒で、4年間の平均タイムは59分18秒25です。

今大会で千葉選手が59分38秒以内のタイムで走れば、4年間合計タイムが3時間57分12秒以内になるので、野村選手を超えたことになります。

 

ですが、ここでも、区間記録と同様にすっきりしない事があります。

何度も書いていますが、2000年大会を境に5区と6区のコースがわずかながら変更になり、1999年以前と2000年以降では、ほぼ同じコースなのに別コース扱いをされています。

1999年以前も含めると、大東大の金子選手が4年間の合計タイム最速記録の保持者となります。

金子選手は6区史上最高の安定感を誇る選手で、4年間連続で1時間を切りました。

金子選手の4年間の戦績

1999年 59分58秒(区間3位)、

2000年 59分47秒(区間4位)、

2001年 58分21秒(区間1位)、

2002年 59分04秒(区間1位)、

4年間すべてで1時間を切り、特に3年生の時は当時の区間記録を作りました。

4年間の合計タイム3時間57分10秒、4年間の平均タイムは59分17秒50という歴代最速記録を残しています。

 

千葉選手が金子選手を超えるためには、59分35秒以内のタイムを出す必要があります。

千葉選手には野村選手だけではなく、金子選手をも超えて欲しいと思います。

また、4年間合計最速記録にもし届かなくても、千葉選手が1時間を切れば、現行コースでの史上初の4年連続1時間切りの快挙を達成する事になります。





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