駒大・村山選手について

今シーズンの全日本大学駅伝の4区で驚異の爆走を見せてくれた駒大の村山選手。

あの最強ランナーとして名を馳せた山梨学院のメクボ・モグス選手の4区区間記録を8秒上回り、中大の大エース上野裕一郎選手の4区日本人最高記録を40秒も上回りました。

4区の14キロを39分24秒で走り切り、その1キロの平均ラップタイムは2分48秒台にまで達します。

これは、箱根の山下りの6区を除き、3大駅伝の10キロ以上の区間において、日本人選手では史上初めて、1キロの平均ラップタイムが2分50秒を切るペースで最後まで走り切った事を意味します。

新しい時代を切り開いた走りと言えます。

 

今回の村山選手の1キロ平均ラップタイムがどれだけ凄いのかは、他の区間に換算すると良くわかります。

距離の短い出雲駅伝のエース区間である6区10.2キロに換算すると、28分42秒になります。

今シーズンの実際の出雲駅伝の6区区間賞が、駒大の窪田選手で29分52秒ですから、圧倒的に村山選手の方が記録が良い事になります。

 

出雲駅伝最短区間である2区5.8キロに換算しても16分19秒になり、実際の区間賞よりも良いタイムになります。

5.8キロを走った選手よりも、14キロを走った村山選手の方がペースが速いのですから、信じ難いほどの凄さです。

 

さらに短い距離で5000メートル(5キロ)に換算すると14分04秒になり、これは今年の全日本インカレの5000メートルで5位に相当するタイムです。

つまり村山選手は、5000メートルで学生日本一を決める大会で5位入賞後、全くペースを落とさずに+9000メートル走り続ける事が出来るという事になります。

 

視点を変えて、全日本大学駅伝の1区、2区に換算し、歴代上位選手と比較します。

全日本の1区2区は、4区と同等かそれ以上に有力ランナーが集まる区間です。

 

1区14.6キロの区間記録は、鹿屋体育大の永田宏一郎、日大のギタウ・ダニエルの両選手が同タイムで残した41分56秒です。

今回の村山選手の4区のタイムを1区に換算すると41分05秒になりますので、あの永田選手、ダニエル選手という超強豪ランナーの記録を51秒も超える計算になります。

1区の方が距離が長くペースは落ちやすいでしょうし、コースのアップダウンもきつそうですが、その辺りを考慮しても30秒以上は超えても不思議ではないと思います。

 

村山選手のタイムを2区13.2キロに換算してみると37分08秒になります。

これは、去年早稲田大の大迫選手が出した2区日本人最高記録の37分25秒を軽く上回り、区間記録である山梨学院のオムワンバ選手の37分16秒すらも上回ります。

しかも2区は4区よりも短いので、ペースが少し上がると考えれば、36分台に迫る記録が出るかも知れません。

 

考えれば考えるほど、村山選手の爆走は常識を超える凄さがありました。

出雲駅伝で区間賞が取れるペースで、距離の長い全日本大学駅伝を走り切ってしまった村山選手。

次の正月には、全日本大学駅伝で区間賞が取れるペースで、さらに距離の長い箱根駅伝を走ってくれるのでしょうか。

今回の全日本の村山選手のタイムは、区間2位を1分以上離していたので、当然あと1分遅くて区間タイムが40分24秒でも区間賞が取れました。この40分24秒の1キロの平均ラップタイムで、もし箱根の2区23.2キロを走り切ったとしたら、1時間06分56秒になります。

今の村山選手ならば、このタイムが出ても不思議ではない気がします。

 

2014年の箱根駅伝で最も注目されるランナーとなった村山選手は今度はどんな走りを見せてくれるのでしょうか。

箱根でも常識を覆す大爆走を期待したいです。





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