山の5区、6区について

今大会で駅伝オタクが勝手に注目しているポイントです

 

1キロ平均3分20秒。山上りの5区の1キロの平均ラップタイムでこの数値を切った選手は、現行コースでは東洋大の柏原選手のみです。

20.9キロ時代も含めれば、順大の今井選手も達成しています。

3分20秒といえば、秒のみの単位で表せば200秒です。

この1キロ平均200秒切りという大台を突破している2人だけが「山の神」と呼ばれているというのも面白い所です。

この1キロ200秒(3分20秒)で5区の23.4キロを走り切ると、その区間タイムは1時間18分ちょうどになります。

つまり1時間18分を1秒でも切れるかどうか、そこに山の神と人間の境界線があるようです。

 

前回の2013年大会、5区で逆転優勝の走りをした日体大の服部選手。

その時の区間タイムは強い風に阻まれて1時間20分35秒でした。

風の影響を正確に知る事は出来ませんが、2013年大会と2012年大会で、区間5位の選手のタイムを比較してみると3分3秒の差があり、同じように区間10位の選手で比較してみると2分33秒の差があります。

大体2分30秒〜3分くらいの影響があったと思われます。

そうすると、服部選手は山の神なのか人間なのか、極めて微妙な位置にいる事になります。

山の半神状態の服部選手には、是非最後の箱根では1時間18分を突破し、箱根駅伝史上に残る第3の山の神となってもらいたいと思います。

 

また、服部選手は前シーズンでは、全日本大学駅伝の4区で40分23秒というタイムを出した後、そのシーズンの箱根駅伝に挑みました。

服部選手は今シーズンも全日本大学駅伝では前回と同じ4区を走り、タイムも前回に近い40分32秒というものでした。

つまり前回とほぼ同じ走力を維持している状態ですから、今回服部選手が出すタイムと、前回の向かい風の中で出したタイムとを比較する事で、向かい風がどれだけの影響があったのかを判断するための、重要なデータにもなると考えています。

色々な意味で今シーズンの箱根駅伝では服部選手の走りからは目が離せません。

 

 

山下りの6区で今シーズン1番の注目選手といえば、前回58分19秒の爆走を見せた明大の廣瀬選手です。

前回の駒大の千葉選手にも期待していましたが、是非57分46秒以内の記録を出して、6区の歴代最速は誰なのかをはっきりとさせて欲しいと思います。

流石にそこまでは難しくても、わずかなコースと距離の違いで消えてしまった事実上の区間記録である神大の中澤選手の58分06秒を超えて欲しいと思います。

 

廣瀬選手は今回で4年連続の山下りですが、1年生の時に区間17位という成績もあるので、4年間合計での最速記録(駒大・千葉選手の3時間55分49秒)には届きそうもありませんが、今回の記録が59分37秒以内ならば、4年間合計4時間切りは達成できます。

4年間合計4時間切りは、現在と若干違う1999年以前のコースを含めても過去4人しかいません。

区間下位を経験した選手が達成したとなれば前代未聞です。





「箱根駅伝の話」に戻る