2015年大会2区有力選手について 

エース区間2区への出走が予想される有力選手7人の紹介です。

 

東洋大・服部選手、明大・大六野選手

まずは今シーズンの全日本大学駅伝のエース区間である2区と8区で区間賞を取った、東洋大の服部選手と、明大の大六野選手です。

服部選手の全日本2区のタイムは38分12秒、大六野選手の全日本8区のタイムは58分06でした。

過去に全日本2区or8区を走り、そのシーズンの箱根2区に出場した選手の平均タイムの比率は、1.793と1.167です。

これを当てはめて箱根2区のタイムを予想すると、服部選手は1時間08分29秒、大六野選手は1時間07分48秒になります。

大六野選手の方が40秒以上も上を行っています。

しかし、1万mのベストタイムを見ると服部選手の方が約18秒も上で、そのタイム差を箱根2区の距離に当てはめると、服部選手の方が40秒程度上回るという、ちょうど真逆の予想になるのが面白い所です。

実際の箱根2区では勝つのはどちらになるのか、興味深い所です。

90年以降、全日本2区区間賞獲得者と8区区間賞獲得者が、そのシーズンの箱根2区で直接対決をすると必ず8区側が勝っているので、大六野選手が有利かも知れません。

大六野選手はもし区間賞を取れば、全日本8区と箱根2区の両方で取った事になり、現行距離になった90年以降、日本人選手では二人目の快挙になります。

 

村山兄弟

駒大の村山謙太選手と城西大の村山紘太選手の最強双子・村山兄弟ですが、特に兄の謙太選手は、前シーズンではあるもののハーフマラソンで1時間00分50秒という記録を出し、このタイムを2区の距離に換算すると1時間06分36秒になります。

また、ハーフのタイムを全日本8区に換算すると56分48秒になり、これに1.167をかけて予想すると1時間06分17秒になります。

謙太選手がその潜在能力をすべて出し切れば、おそらくは1時間06分30秒+−10秒くらいがターゲットになると思います。

2区の日本人最高記録である1時間06分46秒の更新の期待がかかります。

弟の城西大の紘太選手は、箱根予選会の20kmを58分26秒で走り、このタイムを全日本8区に換算すると57分33秒になり、これに1.167をかけると1時間07分09秒になります。

双子は競技力までそっくりになる傾向ですから、真の潜在能力は兄と同レベルかもしれません。

兄弟で1時間06分台を出す可能性もあると思います。

ただし、2人とも過去3度の箱根駅伝で爆走した経験はなく、走力面では最強でも、安定感にはやや問題があると感じます。

 

山梨学大・オムワンバ選手、日大・キトニー選手

前回2区で途中棄権をしたオムワンバ選手は今シーズンも重い走りですが、過去の成績にはハーフマラソン1時間01分15秒、20km57分57秒、全日本2区37分16秒と箱根2区で1時間06分台が出てもおかしくないデータがずらっと並んでいます。

どうも大事な場面で、その実力を出し切れない感があります。

全日本2区で快走するなど駅伝で強く、ハーフマラソンなど20km級の距離でも強いのに、駅伝で20km級の区間を走るとなぜかイマイチです。

村山兄弟が実力をフルに発揮した場合、対抗できる選手の1番手はオムワンバ選手だと思うので、今回は爆走を期待したいです。

前回は山上りの5区で凡走に終わった日大のキトニー選手。

全日本はチームが予選落ちし、箱根予選会はチームがシード権を持っているので出る必要がなく、今シーズンの状態は良くわかりません。

昨年は全日本の8区19.7kmを57分14秒で走っていたので、キトニー選手も箱根2区を走れば1時間06分台の可能性はありそうです。

オムワンバ選手と違い、駅伝の20km級の区間で爆走した経験があるのは大きいと思います。

 

早大・高田選手

前回、箱根駅伝初出場でいきなり2区区間賞を獲得した高田選手。

今シーズンの全日本でもエース区間を走りましたが、区間7位とあまり良くありませんでした。

しかし、去年のシーズンの全日本は区間3位とはいえつなぎ区間だったので、そう考えると去年とあまり変わらないかも知れません。

1万mのベストタイムは去年よりも10秒以上伸ばしているので、今年の箱根も2区での好走を期待したいです。

村山兄弟や留学生は純粋な走力では高田選手よりも上ですが、箱根2区区間賞獲得の経験を持つのは高田選手だけです。

勝利は人を強くします。実際に2区を制した実績があるのは大きな強みだと思います。

今シーズンは1万mの他にもハーフマラソンでも自己ベストを出しており、前回のタイム(1時間08分18秒)を超える可能性は十分にあります。

村山兄弟や留学生が崩れれば2年連続区間賞の可能性もあると思います。

 

まとめ

走力面では駒大・村山謙太選手、城西大・村山紘太選手、山梨学大・オムワンバ選手、日大・キトニー選手の4人が4強です。

しかし、4人揃って過去の駅伝の成績は不安定なので、他の選手にも付け入る隙があります。

その代表が、全日本2区8区と、前回の箱根2区の区間賞獲得者である、東洋大・服部選手、明大・大六野選手、早大・高田選手の3人です。

個人的には前回2区を制した高田選手の活躍を期待しています。

前回の2区区間賞の選手は、大会の主役だと思っていますから。

 

駅伝SLGで予想

毎年、駅伝SLGというソフトに選手200人のデータを入れて予想していますが、2区区間賞候補の選手だけを先にデータ入力して予想してみました。

昨年までと同様に、1万mのベストタイムを基準にし、私独自の考え方に基づき、

20kmやハーフマラソンのベストタイム、

前シーズンの箱根駅伝の区間タイム、

今シーズンの全日本大学駅伝の区間タイム、

以上3つのデータから選手の事実上の走力を予想し、実際の1万mのベストタイムより良かった時にはそちらを使ってシミュレーションを行いました。

5回の平均値を1戦と数え、9戦行い、5番目のタイムを予想値として採用しました。

1位大六野(明大)1時間07分28秒

2位村山(駒大)1時間07分31秒

3位オムワンバ(山梨学大)1時間07分36秒

4位高田(早大)1時間07分55秒

5位キトニー(日大)1時間08分10秒

6位村山(城西大)1時間08分27秒

7位服部(東洋大)1時間08分28秒

意外にも大六野選手が1位と予想されています。全日本8区での快走のデータが大きいです。

逆に走力面では最強の駒大の村山選手は、前シーズンの箱根、今シーズンの全日本と走力に見合うタイムが出せていないので、今回のシミュレーションではなにかイマイチな予想タイムになってしまいました。

城西大の村山選手、オムワンバ選手、キトニー選手も同様です。





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