2023年大会 隠れ28分40秒切りランナー
シューズの進化により、以前は有力選手の基準だった1万m29分切りは多くの選手が達成できるようになりました。
レベルを20秒上げて28分40秒切りが以前の29分切りに相当する記録になるかと思います。
かつての学生長距離では
5km14分00秒(1km2分48秒ペース)、
10km29分00秒(1km2分54秒ペース)、
20km60分00秒(1km3分00秒ペース)
これらは有力選手の基準タイムでした。
距離が2倍になると1kmあたりのペースが6秒落ちる法則性があります。
5km13分50秒、10km28分40秒、20km59分20秒の三つもほぼ同価値と考えられるので、距離の違いに伴うペースの変化も考慮して、全日本8区間における10km28分40秒とほぼ同じ価値になる記録を計算すると以下のようになります。
1区9.5km 約27分09秒
2区11.1km 約31分59秒
3区11.9km 約34分24秒
4区11.8km 約34分06秒
5区12.4km 約35分55秒
6区12.8km 約37分08秒
7区17.6km 約51分53秒
8区19.7km 約58分24秒
※レース展開、気象条件、コースのアップダウンは考慮していません
※近似値を使った計算なのであくまで「約」がつきます
エントリーされた選手の中で、1万mのベストタイムで28分40秒切りを達成出来ていない、かつ、今シーズンの全日本の区間タイムが10km28分40秒切りに相当する選手をピックアップしてみました。
佐藤 (駒大)
約27分58秒相当 (2区31分13秒)
佐藤 (青学大)
約28分13秒相当 (3区33分52秒)
山川 (駒大)
約28分18秒相当 (4区33分41秒)
伊藤 (早大)
約28分20秒相当 (7区51分18秒)
梅崎 (東洋大)
約28分29秒相当 (7区51分35秒)
湯浅 (中大)
約28分32秒相当 (7区51分39秒)
佐藤 (早大)
約28分33秒相当 (8区58分12秒)
山口 (早大)
約28分35秒相当 (4区34分01秒)
青木 (國學院大)
約28分35秒相当 (5区35分50秒)
藤本 (國學院大)
約28分38秒相当 (4区34分04秒)
山本 (國學院大)
約28分39秒相当 (2区31分58秒)
トップ2の佐藤選手はどちらも有名人。全然隠れた実力者ではないですね。
さっさと実力に見合う持ちタイムを1万mで出して欲しいところです。
早大の伊藤選手、山口選手は5千mが13分35秒の選手。むしろ今回の区間タイムは控えめですね。
國學院大の山本選手は1万mが28分41秒で今回の区間タイムは28分39秒相当なので、一見実力通りのように見えますが、ハーフのベストは60分43秒、20km換算で約57分33秒を持っています。10kmちょっとのレースでは短過ぎて持ち味を発揮できなかったのかも知れません。
中大・湯浅選手は前回の箱根で9区3位の活躍を見せた選手。山本選手と同様に長い距離の方が得意でしょう。
今大会は追い風気味だった事もあって、11人も出ましたが、1万mでは28分40秒切りのベストを持っていないが、他には実績のある選手が多かった印象です。
また、東洋大・柏選手がアンカーを58分28秒で走っていて惜しくも届きませんでしたが、8区は上りがあるので、平坦な19.7kmよりは少しタイムが落ちやすいです。柏選手も事実上の28分40秒切りランナーかも知れません。
フルマラソンで好走した柏選手ですから、距離が少し長くなる箱根では更に強さを増すでしょうね。
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