2024年大会の感想 (3)

マニアックな感想です



目次

① シード変動ラインの動き(10位以内からは11位との差、11位以下からは10位との差、23チーム10区間の動き)

② 順位別歴代3傑

③ 平均区間順位





・ シード変動ラインの動き


シード圏内を走るチームにとっては11位、シード圏外を走るチームにとっては10位がシード変動ラインになります。

11位ラインと10位ラインの2つがあり、圏内のチームは11位ラインから逃げ、圏外のチームは10位ラインを追いかけます。

圏内と圏外では相手が違うというのはシード争いの重要なポイントです。

極端な話、10位ラインが区間賞相当のタイムで、11位ラインが区間20位相当のタイムだった場合、圏内のチームは区間19位でも後方の11位ラインを突き放す事ができ、圏外のチームは区間2位でも前方の10位ラインに差を広げられてしまいます。



まずは、10位ラインと11位ラインの動きです。

1区 2区 3区 4区 5区 6区 7区 8区 9区 10区
10位ライン 1:01:38 2:09:10 3:13:09 4:16:31 5:30:17 6:29:12 7:31:39 8:40:16 9:50:38 11:00:42
11位ライン 1:01:45 2:09:32 3:13:34 4:17:11 5:30:20 6:30:39 7:33:41 8:40:25 9:50:42 11:01:52




区間ごとのラインのタイムです

1区 2区 3区 4区 5区 6区 7区 8区 9区 10区
10位ライン 1:01:38 1:07:32 1:03:59 1:03:22 1:13:46 0:58:55 1:02:27 1:08:37 1:10:22 1:10:04
区間10位相当 区間11位相当 区間15位相当 区間18位相当 区間17位相当 区間8位相当 区間1位相当 区間22位相当 区間11位相当 区間8位相当
11位ライン 1:01:45 1:07:47 1:04:02 1:03:37 1:13:09 1:00:19 1:03:02 1:06:44 1:10:17 1:11:10
区間11位相当 区間14位相当 区間16位相当 区間18位相当 区間14位相当 区間14位相当 区間4位相当 区間18位相当 区間9位相当 区間20位相当


10位ラインのタイムは、シード圏外から見て、前方のシード変動ラインに離される事もなければ詰める事もないタイムです。

11位ラインのタイムは、シード圏内から見て、後方のシード変動ラインを離す事もなければ詰められる事もないタイムです。



7区と8区の10位ラインがめちゃくちゃ目立っています。

7区は10位でスタートとして10位で襷を渡した中大・吉居駿恭選手が区間賞を獲ったため、そのまま区間賞タイムが10位ラインのタイムになりました。

圏外のチームにとっては7区は区間2位でもシードが遠のき、8区は区間21位でも差を詰める事ができ、地獄と天国がはっきり別れました。



はっきり別れたのは10区の10位ラインと11位ラインもです。

区間8位相当と区間20位相当と大きな違いが出ていました。

大東大・佐々木選手の1時間10分00秒と東海大・ロホマン選手の1時間11分14秒がほぼそのままラインのタイムですが、佐々木選手が4秒差を逆転して11位から10位に上がる展開だったため、少し違いが出ています。



区間8位相当と区間20位相当とこれだけの大きな違いがあると、圏内のチームは逃げやすく、圏外のチームは追いかけるのが厳しくなり、直接シード権を争っていた大東大、東海大だけではなく、他のチームも影響を受けていたでしょう。

と思うのが普通ですが、圏内のチームで11位ラインが遅かったおかげでリードを大きく増やしたという例は少なく、同様に圏外でも10位ラインが速かったから大きく差を広げられてしまったという例も少ないです。

上位チームの選手も意外とペースが上がらず、下位チームの選手の健闘もあり、また個人タイムだけを見ても今大会の10区は区間1位から区間22位までが3分も開かず、まさに大混戦の最終区間でした。



他には往路のレベルが不安定。

1区2区は流石に速いですが、3区4区5区は区間15位以下に相当するものも目立ち、タイムのレベルもそれほど高くはありません。

3区~5区は極めて重要な区間ですが、やはり1区や2区を重視するチームが多いので、3区以降はやや手薄になりやすいのでしょう。

それだけに、ここに快走できると、大きくタイムを稼いで一気に優位に立てます。



続いて、チームごとの動きです。圏内にいる場合は11位ラインとの差、圏外では10位ラインとの差を記載しています。

 1位 青学大 1:01:37 2:07:44 3:07:31 4:08:41 5:18:13 6:16:27 7:19:13 8:23:13 9:32:04 10:41:25
11位ラインとの差 -0:00:08 -0:01:48 -0:06:03 -0:08:30 -0:12:07 -0:14:12 -0:14:28 -0:17:12 -0:18:38 -0:20:27
10位ラインとの差
 
 2位 駒大 1:01:02 2:07:22 3:07:35 4:10:07 5:20:51 6:20:44 7:23:57 8:28:46 9:38:27 10:48:00
11位ラインとの差 -0:00:43 -0:02:10 -0:05:59 -0:07:04 -0:09:29 -0:09:55 -0:09:44 -0:11:39 -0:12:15 -0:13:52
10位ラインとの差
 
 3位 城西大 1:01:26 2:08:41 3:10:10 4:12:16 5:21:30 6:21:25 7:24:49 8:31:14 9:41:34 10:52:26
11位ラインとの差 -0:00:19 -0:00:51 -0:03:24 -0:04:55 -0:08:50 -0:09:14 -0:08:52 -0:09:11 -0:09:08 -0:09:26
10位ラインとの差
 
 4位 東洋大 1:02:08 2:08:53 3:10:56 4:12:33 5:25:19 6:24:17 7:29:20 8:34:44 9:43:56 10:52:47
11位ラインとの差 -0:00:39 -0:02:38 -0:04:38 -0:05:01 -0:06:22 -0:04:21 -0:05:41 -0:06:46 -0:09:05
10位ラインとの差 0:00:30
 
 5位 國學院大 1:02:35 2:09:01 3:10:57 4:12:56 5:27:07 6:26:44 7:30:13 8:35:11 9:45:12 10:55:27
11位ラインとの差 -0:00:31 -0:02:37 -0:04:15 -0:03:13 -0:03:55 -0:03:28 -0:05:14 -0:05:30 -0:06:25
10位ラインとの差 0:00:57
 
 6位 法大 1:02:03 2:09:36 3:13:43 4:16:31 5:29:03 6:27:05 7:30:49 8:36:10 9:46:01 10:56:35
11位ラインとの差 -0:00:40 -0:01:17 -0:03:34 -0:02:52 -0:04:15 -0:04:41 -0:05:17
10位ラインとの差 0:00:25 0:00:26 0:00:34
 
 7位 早大 1:01:53 2:08:24 3:11:03 4:13:53 5:26:05 6:27:07 7:31:37 8:36:33 9:46:55 10:56:40
11位ラインとの差 -0:01:08 -0:02:31 -0:03:18 -0:04:15 -0:03:32 -0:02:04 -0:03:52 -0:03:47 -0:05:12
10位ラインとの差 0:00:15
 
 8位 創価大 1:01:25 2:08:08 3:12:27 4:15:30 5:28:08 6:26:23 7:30:05 8:36:21 9:47:05 10:57:21
11位ラインとの差 -0:00:20 -0:01:24 -0:01:07 -0:01:41 -0:02:12 -0:04:16 -0:03:36 -0:04:04 -0:03:37 -0:04:31
10位ラインとの差
 
 9位 帝京大 1:01:36 2:09:46 3:12:43 4:15:18 5:30:23 6:30:57 7:33:41 8:38:54 9:48:24 10:59:22
11位ラインとの差 -0:00:09 -0:00:51 -0:01:53 -0:01:31 -0:02:18 -0:02:30
10位ラインとの差 0:00:36 0:00:06 0:01:45 0:02:02
 
 10位 大東大 1:01:57 2:09:32 3:13:34 4:17:13 5:28:54 6:27:18 7:30:45 8:40:25 9:50:42 11:00:42
11位ラインとの差 -0:01:26 -0:03:21 -0:02:56 -0:01:10
10位ラインとの差 0:00:19 0:00:22 0:00:25 0:00:42 0:00:09 0:00:04
 
 11位 東海大 1:01:33 2:09:10 3:13:09 4:16:13 5:31:33 6:30:39 7:35:15 8:40:16 9:50:38 11:01:52
11位ラインとの差 -0:00:12 -0:00:22 -0:00:25 -0:00:58 -0:00:09 -0:00:04
10位ラインとの差 0:01:16 0:01:27 0:03:36 0:01:10
 
 12位 国士大 1:03:10 2:11:32 3:15:17 4:18:02 5:30:20 6:31:07 7:34:58 8:40:46 9:51:12 11:01:52
11位ラインとの差
10位ラインとの差 0:01:32 0:02:22 0:02:08 0:01:31 0:00:03 0:01:55 0:03:19 0:00:30 0:00:34 0:01:10
 
 13位 中大 1:02:51 2:10:55 3:15:28 4:17:12 5:30:35 6:29:12 7:31:39 8:40:33 9:51:47 11:01:58
11位ラインとの差 -0:01:27 -0:02:02
10位ラインとの差 0:01:13 0:01:45 0:02:19 0:00:41 0:00:18 0:00:17 0:01:09 0:01:16
 
 14位 立大 1:02:47 2:12:41 3:15:29 4:18:14 5:31:37 6:31:25 7:36:28 8:42:01 9:53:35 11:03:04
11位ラインとの差
10位ラインとの差 0:01:09 0:03:31 0:02:20 0:01:43 0:01:20 0:02:13 0:04:49 0:01:45 0:02:57 0:02:22
 
 15位 日大 1:01:28 2:08:59 3:10:55 4:17:11 5:31:51 6:32:45 7:37:27 8:43:27 9:55:10 11:06:06
11位ラインとの差 -0:00:17 -0:00:33 -0:02:39
10位ラインとの差 0:00:40 0:01:34 0:03:33 0:05:48 0:03:11 0:04:32 0:05:24
 
 16位 日体大 1:03:36 2:14:30 3:18:15 4:22:35 5:35:35 6:36:05 7:39:49 8:44:29 9:56:33 11:06:30
11位ラインとの差
10位ラインとの差 0:01:58 0:05:20 0:05:06 0:06:04 0:05:18 0:06:53 0:08:10 0:04:13 0:05:55 0:05:48
 
 17位 順大 1:01:38 2:10:41 3:14:38 4:17:11 5:30:17 6:31:03 7:36:59 8:44:06 9:55:26 11:06:42
11位ラインとの差 -0:00:07 -0:00:03
10位ラインとの差 0:01:31 0:01:29 0:00:40 0:01:51 0:05:20 0:03:50 0:04:48 0:06:00
 
 18位 駿河台大 1:01:34 2:11:47 3:15:58 4:18:50 5:30:51 6:32:35 7:38:14 8:43:51 9:56:31 11:06:58
11位ラインとの差 -0:00:11
10位ラインとの差 0:02:37 0:02:49 0:02:19 0:00:34 0:03:23 0:06:35 0:03:35 0:05:53 0:06:16
 
 19位 中央学大 1:02:53 2:10:52 3:15:34 4:18:06 5:31:42 6:32:23 7:36:23 8:42:42 9:57:06 11:07:26
11位ラインとの差
10位ラインとの差 0:01:15 0:01:42 0:02:25 0:01:35 0:01:25 0:03:11 0:04:44 0:02:26 0:06:28 0:06:44
 
 20位 明大 1:01:37 2:12:52 3:16:22 4:22:08 5:37:21 6:36:13 7:40:51 8:45:33 9:55:46 11:07:28
11位ラインとの差 -0:00:08
10位ラインとの差 0:03:42 0:03:13 0:05:37 0:07:04 0:07:01 0:09:12 0:05:17 0:05:08 0:06:46
   
 21位 神奈川大 1:02:59 2:11:57 3:15:23 4:20:17 5:35:50 6:34:30 7:39:27 8:46:52 9:57:27 11:07:37
11位ラインとの差
10位ラインとの差 0:01:21 0:02:47 0:02:14 0:03:46 0:05:33 0:05:18 0:07:48 0:06:36 0:06:49 0:06:55
 
 22位 東農大 1:01:45 2:08:48 3:15:28 4:19:22 5:33:33 6:35:03 7:39:16 8:46:33 9:56:13 11:09:16
11位ラインとの差 -0:00:44
10位ラインとの差 0:00:07 0:02:19 0:02:51 0:03:16 0:05:51 0:07:37 0:06:17 0:05:35 0:08:34
 
 23位 山梨学大 1:02:13 2:09:35 3:14:59 4:18:06 5:31:05 6:32:25 7:38:57 8:46:14 10:00:08 11:11:11
11位ラインとの差
10位ラインとの差 0:00:35 0:00:25 0:01:50 0:01:35 0:00:48 0:03:13 0:07:18 0:05:58 0:09:30 0:10:29


8位創価大が全中継所を圏内で通過。

トップスリー以外で唯一であり、前回から続いて2年連続です。

出雲駅伝では前代未聞のドーピング失格をやらかしましたが、箱根の安定感は本物ですね。



9位帝京大は7区の小野選手が区間2位の好走。

11位ラインを長く動かし、11位ラインの動きを区間4位相当に高速化させています。

しかし10位ラインが区間賞の速さだったため17秒を開かれる結果になりました。

これはもう運が悪かったとしか言いようがないです。

あまり目立ちませんでしたが、7区の10位ラインと11位ラインは区間1位と区間2位の戦いであり、極めて珍しいシード争いの名勝負でした。



9位帝京大、10位大東大、11位東海大は出入りの多いスリリングなレース展開でした。

繰り上げスタートが絡んだので見た目の順位と違い、非常にわかりづらかったですが。

本当に繰上げスタートのタイム差は再考してもらえないですかね。



13位中大は7区を終えて11位ラインの2分以上前まで盛り返し、シードは獲れると思ったのですが。

前回5区で爆走した阿部選手の8区区間22位でまた圏外へ。

阿部選手のブレーキの影響で、この区間の10位ラインが区間22位相当、11位ラインが区間18位相当となり、7区を終えた時点で総合10位と総合11位で2分以上の差が着き、大勢が決まりかけていたシード争いに一波乱が起きました。

区間23位の大東大・ワンジル選手もこの区間で10位、11位を走っていて、ラインの動きに影響を与えています。

ただラインを動かした距離は阿部選手の方が長く、与えた影響も大きかったと思います。



15位日大は頼みの綱の2区留学生がいまいちでしたが、1区と3区の日本人選手が予想外の快走を見せ、3区を終えて11位ラインに2分39秒も差をつけました。

その後は急落してしまいましたが、伝統校の意地を見せてくれました。



今大会のシード争いで大きな動きが見られた8区。

圏内でスタートしたチームの多くはここでタイムを稼ぎ、圏外でも11位、13位でスタートした帝京大、東海大は大差をひっくり返してシード圏内へ入り、他の圏外でスタートしたすべてのチームも前方の10位ラインとの差をつめています。

前述の中大・阿部選手が区間22位、大東大・ワンジル選手が区間23位のブレーキを起こし、ちょうどそれがシードライン付近だったため、10位ラインと11位ラインの両方が低速化し、このような大きな動きにつながりました。

中大、大東大以外の21チームすべてが、8区では得をするという結果になっています。





・ 順位別歴代3傑

総合、往路、復路の順位別歴代3位までのタイムです。



総合1位
10時間41分25秒 青学大 2024
10時間43分42秒 青学大 2022
10時間45分23秒 青学大 2020



総合2位
10時間48分00秒 駒大 2024
10時間48分25秒 東海大 2020
10時間48分53秒 中大 2023



総合3位
10時間52分26秒 城西大 2024
10時間54分20秒 國學院大 2020
10時間54分25秒 青学大 2023



総合4位
10時間52分47秒 東洋大 2024
10時間54分23秒 帝京大 2020
10時間54分59秒 東洋大 2022



総合5位
10時間54分27秒 東京国際大 2020
10時間55分14秒 東京国際大 2022
10時間55分18秒 順大 2023



総合6位
10時間54分46秒 明大 2020
10時間55分21秒 早大 2023
10時間55分44秒 中大 2022



総合7位
10時間55分28秒 法大 2023
10時間56分30秒 創価大 2022
10時間56分40秒 早大 2024



総合8位
10時間55分55秒 創価大 2023
10時間57分10秒 國學院大 2022
10時間57分44秒 駒大 2020



総合9位
10時間58分06秒 帝京大 2022
10時間58分17秒 創価大 2020
10時間58分22秒 城西大 2023



総合10位
10時間58分26秒 東洋大 2023
10時間58分46秒 法大 2022
10時間59分11秒 東洋大 2020



総合11位
10時間59分38秒 東海大 2022
10時間59分58秒 東京国際大 2023
11時間01分10秒 中央学大 2020



総合12位
11時間00分00秒 神奈川大 2022
11時間01分37秒 明大 2023

11時間01分52秒 国士大 2024




総合13位
11時間00分03秒 早大 2022
11時間01分58秒 中大 2024
11時間03分29秒 帝京大 2023



総合14位
11時間00分28秒 明大 2022
11時間03分04秒 立大 2024
11時間04分02秒 山梨学大 2023



総合15位
11時間03分06秒 国士大 2022
11時間06分02秒 東海大 2023

11時間06分06秒 日大 2024




総合16位
11時間06分08秒 大東大 2023

11時間06分30秒 日体大 2024

11時間07分26秒 神奈川大 2020



総合17位
11時間06分32秒 日体大 2023

11時間06分42秒 順大 2024

11時間10分32秒 日体大 2020



総合18位
11時間06分58秒 駿河台大 2024
11時間10分37秒 日大 2020
11時間10分38秒 立大 2023



総合19位
11時間07分26秒 中央学大 2024
11時間13分33秒 国士大 2020
11時間13分42秒 駿河台大 2022



総合20位
11時間07分28秒 明大 2024
11時間15分09秒 専大 2022
11時間16分13秒 筑波大 2020



総合21位
11時間07分37秒 神奈川大 2024
11時間24分49秒 山梨学大 2019
11時間28分39秒 専大 2014



総合22位
11時間09分16秒 東農大 2024
11時間29分00秒 青学大 2009
11時間31分14秒 上武大 2019



総合23位
11時間11分11秒 山梨学大 2024





青学大が総合1位最高記録を更新したため、歴代3傑がすべて青学大になりました。正に王者ですね。



総合2位~総合4位の駒大、城西大、東洋大も素晴らしい記録。

青学大の前に敗れた駒大も総合2位としては歴代1位であり、史上最速の敗者でした。



総合2位記録は歴代3傑がすべて別の大学なのが、総合1位記録とは対照的。

こういうところにも近年の青学大の別格の強さが窺えます。



総合3位城西大、総合4位東洋大もそれまでの総合3位、総合4位の最高記録をそれぞれ1分54秒、1分36秒も上回る記録でした。

総合3位については、後述しますが真の最高記録かと言うとややこしい問題が絡みますが。



ハイレベルな今大会で意外だったのがシードラインを表す10位の記録。

前回や前々回のように58分台か、それ以上の記録を期待していたのですが、意外にも11時間をオーバーしてしまい、3傑に入りませんでした。

11時間00分42秒は歴代4位です。



他にも総合5位~総合17位では3傑入りが7つ最高記録は0と、総合4位までと比べると中位はやや寂しい結果に。



逆に総合18位以下は異常なほどの高速化をしています。

総合18位駿河台大はそれまでの記録を3分39秒、総合19位中央学大は6分07秒、総合20位明大は7分41秒!

順位が下がるほどに記録を伸ばしました。

記念大会なので出場チームが多く、分母が大きければ、ブレーキを起こしたチームは21位以下に沈み、好走したチームだけが20位以内に残りやすい、という理由もあったとは思いますが、それでも伸び方が凄いです。



総合21位、総合22位も大幅に記録を伸ばしていますが、この順位は5年に1回しかありえないので、シューズの進化も含めた時代の違いが何よりの理由でしょう。

しかし箱根駅伝は本当に速くなりました。



ちなみに総合23位の記録が残ったのは史上初です。

23チーム出場となった最初の大会である2009年大会では城西大、次の2014年大会では山梨学大の途中棄権があり、その次の2019年大会は公式参加22チーム+オープン参加1チームという形だったため、今大会の山梨学大が残したタイムが唯一の総合23位記録であり、そのまま最高記録になります。



最高記録ではありませんが、前回大会が終わった時点で、総合17位の歴代トップスリーを独占してしまった日体大が、1ランクアップして総合16位で好タイムを残したのは地味に嬉しいです。





往路1位
5時間18分13秒 青学大 2024
5時間21分16秒 青学大 2020
5時間22分06秒 青学大 2022



往路2位
5時間20分51秒 駒大 2024
5時間22分49秒 國學院大 2020
5時間23分40秒 中大 2023



往路3位
5時間21分30秒 城西大 2024
5時間24分33秒 東京国際大 2020
5時間25分13秒 青学大 2023



往路4位
5時間24分38秒 東海大 2020
5時間25分19秒 東洋大 2024
5時間25分49秒 國學院大 2022



往路5位
5時間26分05秒 早大 2024
5時間26分10秒 順大 2022
5時間27分11秒 明大 2020



往路6位
5時間26分25秒 中大 2022
5時間27分07秒 國學院大 2024
5時間27分15秒 帝京大 2020



往路7位
5時間26分55秒 東京国際大 2022
5時間27分34秒 創価大 2020
5時間27分49秒 東京国際大 2023



往路8位
5時間27分41秒 駒大 2020
5時間27分44秒 創価大 2022
5時間28分53秒 法大 2023



往路9位
5時間28分34秒 東洋大 2022
5時間28分48秒 早大 2020
5時間29分03秒 法大 2024



往路10位
5時間29分08秒 拓大 2020
5時間29分14秒 東海大 2022
5時間29分15秒 創価大 2023



往路11位
5時間29分15秒 東洋大 2020
5時間29分15秒 早大 2022
5時間30分20秒 国士大 2024



往路12位
5時間29分17秒 中央学大 2020
5時間29分26秒 神奈川大 2022
5時間30分23秒 帝京大 2024



往路13位
5時間29分36秒 法大 2022
5時間30分35秒 中大 2024
5時間31分40秒 中大 2020



往路14位
5時間29分49秒 国士大 2022
5時間30分51秒 駿河台大 2024
5時間31分52秒 順大 2020



往路15位
5時間31分05秒 山梨学大 2024
5時間31分42秒 山梨学大 2022
5時間32分53秒 日大 2020



往路16位
5時間31分33秒 東海大 2024
5時間32分07秒 日体大 2022
5時間33分00秒 法大 2020



往路17位
5時間31分37秒 立大 2024
5時間32分20秒 明大 2022
5時間34分11秒 神奈川大 2020



往路18位
5時間31分42秒 中央学大 2024
5時間34分35秒 日体大 2020
5時間36分04秒 中央学大 2022



往路19位
5時間31分51秒 日大 2024
5時間37分53秒 筑波大 2020
5時間38分35秒 専大 2023



往路20位
5時間33分33秒 東農大 2024
5時間38分37秒 国士大 2020
5時間38分51秒 立大 2023



往路21位
5時間35分35秒 日体大 2024
5時間43分07秒 大東大 2019
5時間47分47秒 専大 2014



往路22位
5時間35分50秒 神奈川大 2024
5時間44分16秒 山学 2019
5時間55分47秒 国士大 2014



往路23位
5時間37分21秒 明大 2024
5時間47分25秒 城西大 2009





総合大会記録を2分17秒更新した青学大は往路大会記録を3分03秒更新しました。

50%の距離で133%くらいのタイムを稼いだわけですね。

割合がおかしいですね。

往路大会記録は総合大会記録よりも更新が難しい記録になりそうです。

このチームを追いかけた駒大がかわいそうに感じます。

その駒大は、往路2位としてはこれまでの歴代1位を2分弱上回るダントツの最高記録。

往路1位歴代2位よりも速い記録です。

本当に相手が悪かったとしか言いようがないです。



往路3位最高記録を3分以上上回った城西大は、例年ならば往路優勝してもおかしくありませんでした。

もしそうなっていたら山本選手は新たな山の神として世間に認識されていたかも知れませんね。



上位3チーム以外では、往路5位早大と往路15位以下の全チーム、往路15位山梨学大、往路16位東海大、往路17位立大、往路18位中央学大、往路19位日大、往路20位東農大、往路21位日体大、往路22位神奈川大、往路23位明大が最高記録を更新していました。

往路18位以下は更新幅が大きく、往路18位の中央学大は2分53秒、往路19位の日大は6分02秒、往路20位東農大は5分03秒の大幅更新です。

今大会の往路下位チームのタイムはレベルが異常に高く、来年以降に更に更新するのは難しくなりそうですね。



往路21位日体大、往路22位神奈川大、往路23位明大も大幅更新ですが、これらは前の最高記録から5年以上が経っており、時代の違う記録です。



今大会では史上初の総合23位記録と復路23位記録が出ましたが、往路では2009年大会で8区途中棄権の城西大の記録があるため、往路23位の記録が残るのは史上2例目です。





復路1位
5時間21分36秒 青学大 2022
5時間23分12秒 青学大 2024
5時間23分47秒 東海大 2020



復路2位
5時間24分07秒 青学大 2020
5時間24分24秒 東海大 2019
5時間25分13秒 中大 2023



復路3位
5時間26分35秒 法大 2023
5時間27分08秒 帝京大 2020
5時間27分28秒 東洋大 2024



復路4位
5時間26分40秒 創価大 2023

5時間27分32秒 法大 2024

5時間27分35秒 明大 2020



復路5位
5時間27分37秒 順大 2023

5時間28分20秒 國學院大 2024

5時間28分23秒 順大 2022



復路6位
5時間27分44秒 東洋大 2023
5時間28分46秒 創価大 2022
5時間28分59秒 帝京大 2024



復路7位
5時間27分48秒 早大 2023
5時間29分10秒 法大 2022
5時間29分13秒 創価大 2024



復路8位
5時間27分51秒 國學院大 2023
5時間29分19秒 中大 2022
5時間30分03秒 駒大 2020



復路9位
5時間29分12秒 青学大 2023
5時間29分23秒 駒大 2022
5時間30分19秒 東海大 2024



復路10位
5時間29分14秒 城西大 2023
5時間30分24秒 東海大 2022
5時間30分35秒 早大 2024



復路11位
5時間29分59秒 日体大 2023
5時間30分34秒 神奈川大 2022
5時間30分55秒 日体大 2024



復路12位
5時間30分07秒 大東大 2023
5時間30分48秒 早大 2022
5時間30分56秒 城西大 2024



復路13位
5時間30分08秒 明大 2023
5時間31分21秒 國學院大 2022
5時間31分23秒 中大 2024



復路14位
5時間30分23秒 山梨学大 2023

5時間31分27秒 立大 2024

5時間31分29秒 中央学大 2022



復路15位
5時間31分09秒 山梨学大 2023

5時間31分32秒 国士大 2024

5時間32分31秒 駿河台大 2022



復路16位
5時間31分47秒 立大 2023

5時間31分47秒 神奈川大 2024

5時間33分17秒 国士大 2022



復路17位

5時間31分48秒 大東大2024

5時間32分09秒 東京国際大 2023
5時間33分23秒 帝京大 2022



復路18位
5時間34分15秒 日大 2024
5時間34分22秒 東海大 2023
5時間35分57秒 日体大 2020



復路19位
5時間35分43秒 東農大 2024
5時間37分44秒 日大 2020
5時間38分30秒 日体大 2022



復路20位
5時間35分44秒 中央学大 2024
5時間38分20秒 筑波大 2020
5時間39分39秒 山梨学大 2022



復路21位
5時間36分07秒 駿河台大 2024
5時間42分28秒 明大 2019
5時間42分48秒 国士大 2014



復路22位
5時間36分25秒 順大 2024
5時間43分57秒 上武大 2014
5時間48分48秒 上武大 2019



復路23位
5時間40分06秒 山梨学大 2024



上位では記録の更新はありませんでしたが、復路16位神奈川大が前回大会の立大の記録にぴったり並ぶ最高記録タイ、復路17位大東大、復路18位日大、復路19位東農大、復路20位中央学大、復路21位駿河台大、復路22位順大、復路23位山梨学大が最高記録を出しています。

往路ほどの大幅更新ではないですが、今大会は復路でも下位のレベルが高かったです。



総合記録と同じで過去の記念大会では途中棄権があった為、復路23位記録が出たのは史上初です。





箱根駅伝は2020年代に入りシューズ革命によって大きく記録が伸びました。

2017年大会以前はナイキヴェイパーフライが登場する前の完全な非高反発シューズ時代。

2018年大会と2019年大会ではヴェイパーフライはすでにありますが、まだ本格的には普及しておらず、また当時の高反発シューズは扱いにくかったらしく、劇的な高速化は起きていません。

現在とは条件が大幅に違うため、2019年大会以前の記録で、総合7分、往路3分15秒、復路3分45秒を引いて、現在の最高記録を上回るケースをまとめました。



総合3位最高記録
10時間52分26秒 城西大 2024

2019年大会以前の最高記録
10時間58分03秒 東洋大 2019



復路1位最高記録
5時間21分36秒 青学大 2022

2019年大会以前の最高記録
5時間23分49秒 青学大 2019



復路2位最高記録
5時間24分07秒 青学大 2020

2019年大会以前の最高記録
5時間24分24秒 東海大 2019



復路3位最高記録
5時間26分35秒 法大 2023

2019年大会以前の最高記録、歴代2位、歴代3位相当
5時間29分13秒 早大 2015
5時間29分40秒 帝京大 2019
5時間30分06秒 日体大 2014
(2014年大会は現在より約20m短い)



2023年大会終了時点では、

総合1位

総合3位

総合4位

総合18位

総合19位

総合20位

往路1位

往路19位

復路1位

復路2位

復路3位

復路19位

復路20位

シューズの進化を考慮すると昔の方が・・・と思ってしまう順位が13もあったのですが、今大会でハイレベルな記録が多く出た事により、その数は13→4に激減しました。

残ったのは

総合3位

復路1位

復路2位

復路3位

のみです。

これらの記録はちょっとやっかいです。



総合3位記録は、2019年大会の東洋大がマークした10時間58分03秒から7分を引くと、現在の最高記録を超えます。

しか、2019年大会の東洋大は多くの選手が高反発シューズを着用しています。

本格的に高反発シューズ時代が始まった2020年大会以降のような破壊的な高速化はしていない大会ですが、シューズ進化の過渡期の記録はどう扱っていいのか判断がつかない部分はあります。

どちらかと言えば非行反発シューズ時代に近いと考えていますが。



復路1位、復路2位も2019年大会の記録から3分45秒を引くと、現在の最高記録よりも速くなります。

特に復路2位の東海大の記録は圧倒的です。

復路3位も過去の方が少しレベルが上になります。

上になる記録が3つもあるので、出来るだけ早く更新して欲しいですね。





・ 平均区間順位

23チームの平均区間順位を調べました。



総合成績の順に並べました。()内は平均区間順位の順番です。

1位 青学大 2.3 (1)

2位 駒大 4.3 (2)

3位 城西大 8.1 (4)

4位 東洋大 7.9 (3)

5位 國學院大 8.5 (5)

6位 法大 10.1 (7)

7位 早大 9.7 (6)

8位 創価大 10.2 (8)

9位 帝京大 10.7 (9)

10位 大東大 11.2 (10)

11位 東海大 13.3 (13)

12位 国士大 13.8 (14)

13位 中大 12.4 (11)

14位 立大 13.2 (12)

15位 日大 14.6 (17)

16位 日体大 14.0 (15)

17位 順大 15.9 (21)

18位 駿河台大 15.4 (18)

19位 中央学大 15.6 (19)

20位 明大 14.1 (16)

21位 神奈川大 16.0 (22)

22位 東農大 15.8 (20)

23位 山梨学大 17.9 (23)



優勝の青学大は2.3を記録して圧倒的に1番。

ここでも流石です。

過去にも2015年大会、2016年大会で平均区間順位2前後を記録しており、それに次ぐ記録です。



平均区間順位の順番で3番、4番は総合でも4位、3位の東洋大と城西大。

順番は逆になっていますが、7.9と8.1では誤差の範囲でしょう。

それよりも気になるのは、8前後という数値です。

タイムは良くないがライバルが崩れて3位や4位になったのならわかるのですが、両チームとも10時間52分台というかなりの好タイム。

区間二桁の数は、青学大は0、駒大は1なのに対して、東洋大も城西大も4あり、区間15位以下も2区間。

トップ2と比べるとやや不安低な部分もありましたが、、快走した区間で補っての上位でした。

今大会は総合で下位のチームも好タイムを出して健闘していたので、部分的に東洋大や城西大の区間順位を上回る事もあり、その影響もあったでしょう。



平均区間順位の順番で10番の大東大が順当にシード圏内に入りましたが、その下は混沌としています。

総合12位になった国士大の平均区間順位が13.8なのに対して、総合順位では遥か下の総合20位明大が僅差の14.1。

ここまで極端なのは珍しいです。

総合11位東海大と総合22位東農大でも、平均区間順位はそれぞれ13.3と15.8であり、総合順位で11も差があるとは思えないほど僅差でした。

今大会の下位チームの健闘は区間順位の数字にも表れています。



差のつきにくい1区で好走すると平均区間順位は伸びても総合順位は伸びにくい、と考えていますが、平均区間順位の順番13番で総合11位の東海大(1区5位)、平均区間順位の順番17番で総合15位の日大(1区4位)は、総合順位の方が2つも上にきていて、予想と全く逆の結果になっています。

区間順位は低いけどタイムは悪くない、という区間があるとこういう結果になりやすいので、東海大は2区4区7区10区、日大は7区10区の影響かも知れません。



平均区間順位の順番21番で総合17位の順大は4つも総合順位が上に来ているのは凄い。

記録表を見てもどこの区間で稼いでいるのか良くわかりませんでしたが、2区9区10区辺りは区間順位が低い割りにタイムは悪くないと感じました。



最後に平均区間順位の順番16番で総合20位の明大ですが、前回大会も平均区間順位の順番で9番で総合12位と総合成績がついて来ません。

1年生2人を含めて4区間で区間一桁の好走をしていましたが、勝負区間の2区4区5区で区間中位に大きなタイム差をつけられて区間下位に沈んでしまったダメージが大きかったように感じます。






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