2025年大会の感想 (3)
マニアックな感想です
目次
① シード変動ラインの動き(10位以内からは11位との差、11位以下からは10位との差、20チーム10区間の動き)
② 順位別歴代3傑
③ 平均区間順位
・ シード変動ラインの動き
シード圏内を走るチームにとっては11位、シード圏外を走るチームにとっては10位がシード変動ラインになります。
11位ラインと10位ラインの2つがあり、圏内のチームは11位ラインから逃げ、圏外のチームは10位ラインを追いかけます。
圏内と圏外では相手が違うというのはシード争いの重要なポイントです。
極端な話、10位ラインが区間賞相当のタイムで、11位ラインが区間20位相当のタイムだった場合、圏内のチームは区間19位でも後方の11位ラインを突き放す事ができ、圏外のチームは区間2位でも前方の10位ラインに差を広げられてしまいます。
まずは、10位ラインと11位ラインの動きです。
1区 | 2区 | 3区 | 4区 | 5区 | 6区 | 7区 | 8区 | 9区 | 10区 | |
10位ライン | 1:02:51 | 2:09:43 | 3:13:03 | 4:15:44 | 5:28:03 | 6:27:34 | 7:30:51 | 8:35:23 | 9:44:56 | 10:54:58 |
11位ライン | 1:02:52 | 2:09:44 | 3:13:19 | 4:15:48 | 5:28:34 | 6:27:35 | 7:31:00 | 8:35:47 | 9:45:17 | 10:55:05 |
区間ごとのラインのタイムです。
1区 | 2区 | 3区 | 4区 | 5区 | 6区 | 7区 | 8区 | 9区 | 10区 | |
10位ライン | 1:02:51 | 1:06:52 | 1:03:20 | 1:02:41 | 1:12:19 | 0:59:31 | 1:03:17 | 1:04:32 | 1:09:33 | 1:10:02 |
区間10位相当 | 区間10位相当 | 区間13位相当 | 区間11位相当 | 区間11位相当 | 区間13位相当 | 区間10位相当 | 区間5位相当 | 区間8位相当 | 区間8位相当 | |
11位ライン | 1:02:52 | 1:06:52 | 1:03:35 | 1:02:29 | 1:12:46 | 0:59:01 | 1:03:25 | 1:04:47 | 1:09:30 | 1:09:48 |
区間11位相当 | 区間10位相当 | 区間15位相当 | 区間10位相当 | 区間13位相当 | 区間11位相当 | 区間11位相当 | 区間8位相当 | 区間8位相当 | 区間7位相当 |
10位ラインのタイムは、シード圏外から見て、前方のシード変動ラインに離される事もなければ詰める事もないタイムです。
11位ラインのタイムは、シード圏内から見て、後方のシード変動ラインを離す事もなければ詰められる事もないタイムです。
ついに、2区のシードラインの動きが67分を切りました。
66分台は一昔前までは伝説級の記録ですが、シード争いがこのレベルで行われる時代になりました。
しかも、10位ライン、11位ライン両方が66分52秒の同タイムで67分を突破。
総勢11人が67分を切り、特に速かった65分台の3人も、東京国際大・エティーリ選手と創価大・吉田選手は圏外から、青学大・黒田選手は10位からなので、ラインの動きに関わっています。
67分切りはある意味当然だったのかも知れません。
今大会のラインの動きは、2区を別にすれば、区間ごとのレベルの差や、10位ラインと11位ラインのタイム差で極端に目立つところはなく、あまり特徴がないですね。
少し気になったのは3区です。
3区の重要度は2区にも匹敵すると思っていますが、今大会の3区は意外と普通のレベルでした。
3区のレベルは前々回で10位ライン11位ラインともに62分30秒台まで伸びましたが、その後はレベルアップはなく、この2大会は64分前後や63分30秒前後に留まっています。
2区のレベルが高く、混戦状態で3区につないでいるだけに、3区も61分台くらいでシードラインが動いたら面白かったのですが。
山上りの5区のラインの動きは72分台。
5区になると強豪選手はすでにシードラインよりもずっと上を走っているケースも多くなるとは思いますが、箱根駅伝最重要区間と言っても良い区間なので、できればもう1分くらい上のレベルになって欲しいです。
71分29秒のタイムで12位から8位へ上がった明大・山本選手は見事でしたが、抜かれた選手が山本選手にもっと食らいついていければ、二つのラインのタイムももっと伸びたのですが。
その他では、4区、7区、8区のラインのタイムが良く感じました。
これらの区間は2区についでレベルが高かったと思います。
8区が入るのはびっくりです。
日体大・分須選手が10位スタートで9位タイで襷を渡し、帝京大・高島選手が11位スタートで11位で襷を渡しており、12位スタートの東洋大・網本選手が9位タイまで上がってシードラインを引っ掻き回す快走を見せていますが、最終的には分須選手と高島選手のタイムがそのままラインのタイムになりました。
レベルの高い戦いでした。
そのあおりを軽く受けたのが山梨学大8区の阿部選手でしょうか。
区間賞と11秒差の区間3位の快走だけに、前方の10位ラインとの差を大きく詰めて、1年生が脅威の走り!となりそうなところですが、7秒詰めるに留まりました。
ちなみにもし10位ラインが前回並みにスローな動きとだったとしたら、阿部選手は4分以上差を詰めれた事になります。
続いて、チームごとの動きです。圏内にいる場合は11位ラインとの差、圏外では10位ラインとの差を記載しています。
1位 青学大 | 1:02:51 | 2:08:35 | 3:10:26 | 4:10:50 | 5:20:01 | 6:16:48 | 7:19:58 | 8:24:12 | 9:32:52 | 10:41:19 |
11位ラインとの差 | -0:00:01 | -0:01:09 | -0:02:53 | -0:04:58 | -0:08:33 | -0:10:47 | -0:11:02 | -0:11:35 | -0:12:25 | -0:13:46 |
10位ラインとの差 | ||||||||||
2位 駒大 | 1:02:39 | 2:08:53 | 3:10:58 | 4:12:22 | 5:23:17 | 6:20:55 | 7:21:38 | 8:26:09 | 9:35:13 | 10:44:07 |
11位ラインとの差 | -0:00:13 | -0:00:51 | -0:02:21 | -0:03:26 | -0:05:17 | -0:06:40 | -0:09:22 | -0:09:38 | -0:10:04 | -0:10:58 |
10位ラインとの差 | ||||||||||
3位 國學院大 | 1:02:47 | 2:09:25 | 3:11:19 | 4:12:28 | 5:25:26 | 6:25:07 | 7:27:28 | 8:32:14 | 9:41:22 | 10:50:47 |
11位ラインとの差 | -0:00:05 | -0:00:19 | -0:02:00 | -0:03:20 | -0:03:08 | -0:02:28 | -0:03:32 | -0:03:33 | -0:03:55 | -0:04:18 |
10位ラインとの差 | ||||||||||
4位 早大 | 1:02:43 | 2:09:44 | 3:10:59 | 4:12:59 | 5:22:30 | 6:21:15 | 7:24:51 | 8:30:45 | 9:41:21 | 10:50:57 |
11位ラインとの差 | -0:00:09 | -0:02:20 | -0:02:49 | -0:06:04 | -0:06:20 | -0:06:09 | -0:05:02 | -0:03:56 | -0:04:08 | |
10位ラインとの差 | 0:00:01 | |||||||||
5位 中大 | 1:01:07 | 2:07:46 | 3:08:02 | 4:10:05 | 5:21:48 | 6:20:37 | 7:23:44 | 8:33:35 | 9:43:21 | 10:52:49 |
11位ラインとの差 | -0:01:45 | -0:01:58 | -0:05:17 | -0:05:43 | -0:06:46 | -0:06:58 | -0:07:16 | -0:02:12 | -0:01:56 | -0:02:16 |
10位ラインとの差 | ||||||||||
6位 城西大 | 1:02:51 | 2:09:46 | 3:12:14 | 4:15:08 | 5:25:58 | 6:24:04 | 7:28:33 | 8:34:54 | 9:43:21 | 10:53:09 |
11位ラインとの差 | -0:00:01 | -0:01:05 | -0:00:40 | -0:02:36 | -0:03:31 | -0:02:27 | -0:00:53 | -0:01:56 | -0:01:56 | |
10位ラインとの差 | 0:00:03 | |||||||||
7位 創価大 | 1:03:02 | 2:08:45 | 3:09:36 | 4:11:20 | 5:23:38 | 6:23:11 | 7:26:20 | 8:32:14 | 9:42:34 | 10:53:35 |
11位ラインとの差 | -0:00:59 | -0:03:43 | -0:04:28 | -0:04:56 | -0:04:24 | -0:04:40 | -0:03:33 | -0:02:43 | -0:01:30 | |
10位ラインとの差 | 0:00:11 | |||||||||
8位 東京国際大 | 1:02:55 | 2:08:26 | 3:11:50 | 4:14:30 | 5:28:34 | 6:27:34 | 7:30:04 | 8:36:16 | 9:45:17 | 10:54:55 |
11位ラインとの差 | -0:01:18 | -0:01:29 | -0:01:18 | -0:00:01 | -0:00:56 | -0:00:10 | ||||
10位ラインとの差 | 0:00:04 | 0:00:31 | 0:00:53 | 0:00:21 | ||||||
9位 東洋大 | 1:02:52 | 2:11:42 | 3:14:22 | 4:15:37 | 5:27:53 | 6:26:49 | 7:31:05 | 8:35:23 | 9:44:45 | 10:54:56 |
11位ラインとの差 | -0:00:11 | -0:00:41 | -0:00:46 | -0:00:24 | -0:00:32 | -0:00:09 | ||||
10位ラインとの差 | 0:00:01 | 0:01:59 | 0:01:19 | 0:00:14 | ||||||
10位 帝京大 | 1:02:45 | 2:09:07 | 3:13:03 | 4:16:19 | 5:29:28 | 6:27:41 | 7:31:00 | 8:35:47 | 9:44:50 | 10:54:58 |
11位ラインとの差 | -0:00:07 | -0:00:37 | -0:00:16 | -0:00:27 | -0:00:07 | |||||
10位ラインとの差 | 0:00:35 | 0:01:25 | 0:00:07 | 0:00:09 | 0:00:24 | |||||
11位 順大 | 1:02:52 | 2:11:14 | 3:14:00 | 4:15:48 | 5:28:40 | 6:27:35 | 7:29:56 | 8:35:10 | 9:44:56 | 10:55:05 |
11位ラインとの差 | -0:01:04 | -0:00:37 | -0:00:21 | |||||||
10位ラインとの差 | 0:00:01 | 0:01:31 | 0:00:57 | 0:00:04 | 0:00:37 | 0:00:01 | 0:00:07 | |||
12位 日体大 | 1:02:40 | 2:11:24 | 3:14:09 | 4:15:44 | 5:28:03 | 6:27:55 | 7:30:51 | 8:35:23 | 9:45:22 | 10:56:22 |
11位ラインとの差 | -0:00:12 | -0:00:04 | -0:00:31 | -0:00:09 | -0:00:24 | |||||
10位ラインとの差 | 0:01:41 | 0:01:06 | 0:00:21 | 0:00:26 | 0:01:24 | |||||
13位 立大 | 1:02:56 | 2:09:28 | 3:12:49 | 4:15:58 | 5:27:27 | 6:26:46 | 7:31:40 | 8:36:21 | 9:46:27 | 10:58:21 |
11位ラインとの差 | -0:00:16 | -0:00:30 | -0:01:07 | -0:00:49 | ||||||
10位ラインとの差 | 0:00:05 | 0:00:14 | 0:00:49 | 0:00:58 | 0:01:31 | 0:03:23 | ||||
14位 中央学大 | 1:02:53 | 2:09:17 | 3:13:19 | 4:16:50 | 5:28:37 | 6:27:44 | 7:32:14 | 8:38:02 | 9:49:36 | 11:00:13 |
11位ラインとの差 | -0:00:27 | |||||||||
10位ラインとの差 | 0:00:02 | 0:00:16 | 0:01:06 | 0:00:34 | 0:00:10 | 0:01:23 | 0:02:39 | 0:04:40 | 0:05:15 | |
15位 法大 | 1:02:55 | 2:10:52 | 3:14:31 | 4:18:42 | 5:31:25 | 6:31:16 | 7:34:16 | 8:40:22 | 9:50:42 | 11:03:16 |
11位ラインとの差 | ||||||||||
10位ラインとの差 | 0:00:04 | 0:01:09 | 0:01:28 | 0:02:58 | 0:03:22 | 0:03:42 | 0:03:25 | 0:04:59 | 0:05:46 | 0:08:18 |
16位 神奈川大 | 1:03:51 | 2:12:20 | 3:16:11 | 4:20:32 | 5:33:39 | 6:32:28 | 7:37:51 | 8:44:17 | 9:54:24 | 11:07:28 |
11位ラインとの差 | ||||||||||
10位ラインとの差 | 0:01:00 | 0:02:37 | 0:03:08 | 0:04:48 | 0:05:36 | 0:04:54 | 0:07:00 | 0:08:54 | 0:09:28 | 0:12:30 |
17位 専大 | 1:03:32 | 2:11:01 | 3:14:11 | 4:19:02 | 5:36:50 | 6:36:26 | 7:40:52 | 8:47:07 | 9:57:43 | 11:08:53 |
11位ラインとの差 | ||||||||||
10位ラインとの差 | 0:00:41 | 0:01:18 | 0:01:08 | 0:03:18 | 0:08:47 | 0:08:52 | 0:10:01 | 0:11:44 | 0:12:47 | 0:13:55 |
18位 山梨学大 | 1:02:48 | 2:09:43 | 3:14:03 | 4:19:00 | 5:31:03 | 6:32:37 | 7:37:25 | 8:41:50 | 9:55:02 | 11:09:40 |
11位ラインとの差 | -0:00:04 | -0:00:01 | ||||||||
10位ラインとの差 | 0:01:00 | 0:03:16 | 0:03:00 | 0:05:03 | 0:06:34 | 0:06:27 | 0:10:06 | 0:14:42 | ||
19位 大東大 | 1:02:49 | 2:11:18 | 3:14:24 | 4:18:15 | 5:33:44 | 6:33:21 | 7:40:10 | 8:46:52 | 9:58:55 | 11:10:38 |
11位ラインとの差 | -0:00:03 | |||||||||
10位ラインとの差 | 0:01:35 | 0:01:21 | 0:02:31 | 0:05:41 | 0:05:47 | 0:09:19 | 0:11:29 | 0:13:59 | 0:15:40 | |
20位 日大 | 1:03:17 | 2:10:48 | 3:15:48 | 4:20:01 | 5:33:04 | 6:33:54 | 7:41:06 | 8:48:19 | 10:00:36 | 11:11:50 |
11位ラインとの差 | ||||||||||
10位ラインとの差 | 0:00:26 | 0:01:05 | 0:02:45 | 0:04:17 | 0:05:01 | 0:06:20 | 0:10:15 | 0:12:56 | 0:15:40 | 0:16:52 |
青学大、駒大の別格の2トップと、往路を終えて3分以上遅れた15位以下のチームは除いて、かなりの混戦。
総合4位早大は、5区の名探偵の走りで3分15秒リードを増やして安全圏に。
チームがシード争いに巻き込まれるのを防ぎました。
3区の山口竣平選手が10位ラインの1秒後方からスタートして、一気に2分20秒もリードを稼いだのは5区の工藤選手以上にチームに貢献していたでしょう。
最終的なリード4分08秒の内の半分以上を1年生が一気に稼いだのですからインパクトがありました。
総合5位中大、総合7位創価大は早大以上に3区で大きく稼いでおり、3区で安全圏に入ってそのまま逃げ切るレース展開でした。
順番が前後して、総合3位國學院大。順位だけを見ればシード争いとは無縁ですが、3区で稼いだ1分41秒は最終的なリード4分18秒のうちの結構な割合を占めます。
レースが終わった後に振り返れば、今大会のシード争いは3区が大きなポイントになっていたと感じます。
中大に関しては差のつきにくい1区で1分45秒も稼いだのもとても大きかったですが。
総合8位~総合11位までが最終区までもつれて、最後は順大だけがこぼれる結果になりましたが、200キロ以上の距離を走って7秒差は誤差の範囲というか、もう運が悪かっただけかと思います。
去年までの常識では、10時間55分の速さにシードラインがついてこれるわけはないのですから。
この速さで動いたシードラインに9区まで26秒差につけていた日体大、8区まで57秒差で粘った立大も含めて、史上最高レベルのシード争いでした。
圏外のチームで特に残念に感じたのは法大ですね。
本番に強いチームと言う印象だったので、悪くても順大や日体大と同じくらいの位置には来ると思っていたのですが。
全区間でシード圏外のチームは4チームですが、そのうちの1つに法大が入ったのは意外でした。
法大以上の有力校と思っていた大東大についても、まさかの結果に。
1区は圏内につけて、激戦の2区3区も10位ラインと1分半程度の差で粘っていたので、まだまだシード獲得に向けて挽回可能な位置。
しかし4区で遅れ、5区では更に大きく遅れ、往路でシード争いからはじき出されてしまいました。
原因をこれから解明すると陸上雑誌の記事にあったので、チーム関係者にもわからない失敗だったようです。
・ 順位別歴代3傑
総合、往路、復路の順位別歴代3位までのタイムです。
総合1位
10時間41分19秒 青学大 2025
10時間41分25秒 青学大 2024
10時間43分42秒 青学大 2022
総合2位
10時間44分07秒 駒大 2025
10時間48分00秒 駒大 2024
10時間48分25秒 東海大 2020
総合3位
10時間50分47秒 國學院大 2025
10時間52分26秒 城西大 2024
10時間54分20秒 國學院大 2020
総合4位
10時間50分57秒 早大 2025
10時間52分47秒 東洋大 2024
10時間54分23秒 帝京大 2020
総合5位
10時間52分49秒 中大 2025
10時間54分27秒 東京国際大 2020
10時間55分14秒 東京国際大 2022
総合6位
10時間53分09秒 城西大 2025
10時間54分46秒 明大 2020
10時間55分21秒 早大 2023
総合7位
10時間53分35秒 創価大 2025
10時間55分28秒 法大 2023
10時間56分30秒 創価大 2022
総合8位
10時間54分55秒 東京国際大 2025
10時間55分55秒 創価大 2023
10時間57分10秒 國學院大 2022
総合9位
10時間54分56秒 東洋大 2025
10時間58分06秒 帝京大 2022
10時間58分17秒 創価大 2020
総合10位
10時間54分58秒 帝京大 2025
10時間58分26秒 東洋大 2023
10時間58分46秒 法大 2022
総合11位
10時間55分05秒 順大 2025
10時間59分38秒 東海大 2022
10時間59分58秒 東京国際大 2023
総合12位
10時間56分22秒 日体大 2025
11時間00分00秒 神奈川大 2022
11時間01分37秒 明大 2023
総合13位
10時間58分21秒 立大 2025
11時間00分03秒 早大 2022
11時間01分58秒 中大 2024
総合14位
11時間00分13秒 中央学大 2025
11時間00分28秒 明大 2022
11時間03分04秒 立大 2024
総合15位
11時間03分06秒 国士大 2022
11時間03分16秒 法大 2025
11時間06分02秒 東海大 2023
総合16位
11時間06分08秒 大東大 2023
11時間06分30秒 日体大 2024
11時間07分26秒 神奈川大 2020
総合17位
11時間06分32秒 日体大 2023
11時間06分42秒 順大 2024
11時間08分53秒 専大 2025
総合18位
11時間06分58秒 駿河台大 2024
11時間09分40秒 山梨学大 2025
11時間10分37秒 日大 2020
総合19位
11時間07分26秒 中央学大 2024
11時間10分38秒 大東大 2025
11時間13分33秒 国士大 2020
総合20位
11時間07分28秒 明大 2024
11時間11分50秒 日大 2025
11時間15分09秒 専大 2022
総合21位
11時間07分37秒 神奈川大 2024
11時間24分49秒 山梨学大 2019
11時間28分39秒 専大 2014
総合22位
11時間09分16秒 東農大 2024
11時間29分00秒 青学大 2009
11時間31分14秒 上武大 2019
総合23位
11時間11分11秒 山梨学大 2024
今年の1区はスローペースだったので、独走した中大以外は総合タイムや往路タイムにはマイナス要因があったわけですが、それでも多くのチームがレベルの高い記録を残しています
青学大はまた大会新記録。
これで総合1位は、青学大が歴代3傑だけではなく、2020年大会の記録を含めて歴代4傑の独占になりました。
駒大が総合2位最高記録を4分近くも更新。
青学大が2020年大会の優勝時にマークした10時間45分23秒を超えており、総合記録の歴代4位になります。
青学大が総合記録歴代1位~4位を独占した直後に、2位ながらもそのうちの1角を崩す記録を残し、記録面で一矢報いた感があります。
またシューズ革命以前の2010年代に、東洋大が異常なほどの強さを見せた時代がありましたが、あの当時の優勝記録からシューズ効果として7分を引けば44分台、45分台なので、今大会の駒大は東洋大全盛期の記録に並ぶか超えるほどのパフォーマンスだったと言えそうです。
総合2位ながら、かつての大圧勝したスーパーチームに匹敵する記録を残した今大会の駒大は、2位チームとしては明らかに別格でした。
前回大会では、あまりにも青学大が強すぎて、駒大はもう箱根よりも、将来のマラソンランナー育成に力を入れるべきではないかと思ってしまったのですが、まだまだやれるという事ですね。
総合3位~総合14位が各順位の歴代最高記録を更新。
特にシードを争う総合9位や総合10位のタイムが速く、更にシードを落とした総合11位や総合12位も従来の記録よりも明らかに速い。
こうなると、また2020年大会のようにシューズが進化したから速くなったのではないか、と少し思ってしまったのですが、総合14位になると最高記録とはいえ更新は15秒。
総合15位になると2022年大会の記録に及ばず歴代2位。
2020年大会のように全順位の記録が異常な高騰を見せたのとは違い、速くなっていない順位もあり、かなり悩みましたが、シューズ効果とは違う可能性が高いと思います。
10位が劇的に速くなる=下位までみんな速くなる=またシューズ革命、と考えていたのですが、今回はそうとは言い切れません。
ではなんでシード付近がここまで高速化したのか・・・
謎です。
11時間07分28秒の総合16位神奈川大は、20チームの中で唯一歴代3傑に入れず。
あと2秒届きませんでしたが、立ちはだかったのが5年前の先輩たちだったというのが面白い。
総合20位記録は、前回大会の11時間07分台から大幅に落ちて11分台。
前回は記念大会で増枠がありましたので、ブレーキをしたチームは21位以下に落ちやすく、必然的に総合20位チームのタイムも上がりやすいでしょう。
公式参加20チームの大会でまた20位が11時間10分を切るレベルになって欲しいですね。
往路1位
5時間18分13秒 青学大 2024
5時間20分01秒 青学大 2025
5時間21分16秒 青学大 2020
往路2位
5時間20分51秒 駒大 2024
5時間21分48秒 中大 2025
5時間22分49秒 國學院大 2020
往路3位
5時間21分30秒 城西大 2024
5時間22分30秒 早大 2025
5時間24分33秒 東京国際大 2020
往路4位
5時間23分17秒 駒大 2025
5時間24分38秒 東海大 2020
5時間25分19秒 東洋大 2024
往路5位
5時間23分38秒 創価大 2025
5時間26分05秒 早大 2024
5時間26分10秒 順大 2022
往路6位
5時間25分26秒 國學院大 2025
5時間26分25秒 中大 2022
5時間27分07秒 國學院大 2024
往路7位
5時間25分58秒 城西大 2025
5時間26分55秒 東京国際大 2022
5時間27分34秒 創価大 2020
往路8位
5時間27分27秒 立大 2025
5時間27分41秒 駒大 2020
5時間27分44秒 創価大 2022
往路9位
5時間27分53秒 東洋大 2025
5時間28分34秒 東洋大 2022
5時間28分48秒 早大 2020
往路10位
5時間28分03秒 日体大 2025
5時間29分08秒 拓大 2020
5時間29分14秒 東海大 2022
往路11位
5時間28分34秒 東京国際大 2025
5時間29分15秒 東洋大 2020
5時間29分15秒 早大 2022
往路12位
5時間28分37秒 中央学大 2025
5時間29分17秒 中央学大 2020
5時間29分26秒 神奈川大 2022
往路13位
5時間28分40秒 順大 2025
5時間29分36秒 法大 2022
5時間30分35秒 中大 2024
往路14位
5時間29分28秒 帝京大 2025
5時間29分49秒 国士大 2022
5時間30分51秒 駿河台大 2024
往路15位
5時間31分03秒 山梨学大 2025
5時間31分05秒 山梨学大 2024
5時間31分42秒 山梨学大 2022
往路16位
5時間31分25秒 法大 2025
5時間31分33秒 東海大 2024
5時間32分07秒 日体大 2022
往路17位
5時間31分37秒 立大 2024
5時間32分20秒 明大 2022
5時間33分04秒 日大 2025
往路18位
5時間31分42秒 中央学大 2024
5時間33分39秒 神奈川大 2025
5時間34分35秒 日体大 2020
往路19位
5時間31分51秒 日大 2024
5時間33分44秒 大東大 2025
5時間37分53秒 筑波大 2020
往路20位
5時間33分33秒 東農大 2024
5時間36分50秒 専大 2025
5時間38分37秒 国士大 2020
往路21位
5時間35分35秒 日体大 2024
5時間43分07秒 大東大 2019
5時間47分47秒 専大 2014
往路22位
5時間35分50秒 神奈川大 2024
5時間44分16秒 山学 2019
5時間55分47秒 国士大 2014
往路23位
5時間37分21秒 明大 2024
5時間47分25秒 城西大 2009
圧倒的な走りを連発して往路優勝した青学大でも、前回大会でマークした往路大会記録には2分弱届かず。
1区スローペースの影響もありますが、前回のレベルがあまりにも異常でしたね。
往路4位~往路16位までの13チームが順位別最高記録を更新。
総合では14チームが順位別最高記録を更新しましたが、往路だけをみてもレベルは高いです。
1区スローペースの影響は総合10区間よりも往路5区間の方が相対的に強いはずですが、13チームも更新しているのは凄いですね。
最高記録の更新ができなかったチームも含めて、20チームすべてが往路各順位の歴代3傑に入りました。
山梨学大が往路15位の歴代3傑を独占。
この歴代3傑を調べ出してから思ったのですが、同じチームが同じ順位になる事って結構ありますね。
復路1位
5時間20分50秒 駒大 2025
5時間21分36秒 青学大 2022
5時間23分12秒 青学大 2024
復路2位
5時間21分18秒 青学大 2025
5時間24分07秒 青学大 2020
5時間24分24秒 東海大 2019
復路3位
5時間25分21秒 國學院大 2025
5時間26分35秒 法大 2023
5時間27分08秒 帝京大 2020
復路4位
5時間25分30秒 帝京大 2025
5時間26分40秒 創価大 2023
5時間27分32秒 法大 2024
復路5位
5時間26分21秒 東京国際大 2025
5時間27分37秒 順大 2023
5時間28分20秒 國學院大 2024
復路6位
5時間26分25秒 順大 2025
5時間27分44秒 東洋大 2023
5時間28分46秒 創価大 2022
復路7位
5時間27分03秒 東洋大 2025
5時間27分48秒 早大 2023
5時間29分10秒 法大 2022
復路8位
5時間27分11秒 城西大 2025
5時間27分51秒 國學院大 2023
5時間29分19秒 中大 2022
復路9位
5時間28分19秒 日体大 2025
5時間29分12秒 青学大 2023
5時間29分23秒 駒大 2022
復路10位
5時間28分27秒 早大 2025
5時間29分14秒 城西大 2023
5時間30分24秒 東海大 2022
復路11位
5時間29分57秒 創価大 2025
5時間29分59秒 日体大 2023
5時間30分34秒 神奈川大 2022
復路12位
5時間30分07秒 大東大 2023
5時間30分48秒 早大 2022
5時間30分56秒 城西大 2024
復路13位
5時間30分08秒 明大 2023
5時間31分01秒 中大 2025
5時間31分21秒 國學院大 2022
復路14位
5時間30分23秒 山梨学大 2023
5時間31分27秒 立大 2024
5時間31分29秒 中央学大 2022
復路15位
5時間31分09秒 山梨学大 2023
5時間31分32秒 国士大 2024
5時間31分51秒 法大 2025
復路16位
5時間31分47秒 立大 2023
5時間31分47秒 神奈川大 2024
5時間32分03秒 専大 2025
復路17位
5時間31分48秒 大東大2024
5時間32分09秒 東京国際大 2023
5時間33分23秒 帝京大 2022
復路18位
5時間34分15秒 日大 2024
5時間34分22秒 東海大 2023
5時間35分57秒 日体大 2020
復路19位
5時間35分43秒 東農大 2024
5時間37分44秒 日大 2020
5時間38分30秒 日体大 2022
復路20位
5時間35分44秒 中央学大 2024
5時間38分20秒 筑波大 2020
5時間38分46秒 日大 2025
復路21位
5時間36分07秒 駿河台大 2024
5時間42分28秒 明大 2019
5時間42分48秒 国士大 2014
復路22位
5時間36分25秒 順大 2024
5時間43分57秒 上武大 2014
5時間48分48秒 上武大 2019
復路23位
5時間40分06秒 山梨学大 2024
復路大会新記録で復路優勝の駒大を筆頭に、復路11位までが最高記録を更新。
上位から中位にかけてのレベルの高さは復路でも凄かった。
しかし、他の3傑入りは4チームなので、つまり20チーム中5チームは歴代3位までに入れませんでした。
3傑入りができなかったのは総合で1チーム、往路は0なので、復路はややレベルが低かった、というか総合と往路が異常なのでしょう。
1区スローペースの影響は、当然ですが復路記録には無関係です。
それなのに、総合や往路の方が記録を伸ばしているとなると、力の配分を往路に振っているケースが増えてきているのでしょう。
なんで往路10位復路9位で総合12位なってしまうのかと話題になった日体大ですが、往路だけではなく、復路9位も順位別最高記録を更新する好走だったので、なお更不思議ですね。
あまりいい所がなかった最下位日大ですが、復路20位歴代3位にぽつんとランクイン。
復路17位以下では唯一の3傑入りでした。
箱根駅伝は2020年代に入りシューズ革命によって大きく記録が伸びました。
高反発シューズが本格的に普及して5年以上も経ち、厚底でレースを走るのが当たり前になった現在では、シューズで記録が伸びると言う事を意識していない駅伝ファンも多いかもしれません。
2017年大会以前はナイキヴェイパーフライが登場する前の完全な非高反発シューズ時代。
2018年大会と2019年大会ではヴェイパーフライはすでにありますが、まだ本格的には普及しておらず、また当時のシューズは扱いにくかったらしく、劇的な高速化は起きていません。
記録破壊を起こしたのは、2019年夏に発売されたヴェイパーフライネクスト%であり、箱根駅伝2020年大会で猛威を振るいました。
参考までに各時代のシードライン最高タイム
2017年大会以前 11時間11分15秒
2019年大会 11時間09分23秒
2020年大会 10時間59分11秒
2019年大会以前は現在とは条件が大幅に違うと考えられるので、シューズ効果を1kmあたり2秒程度とし、総合7分、往路3分15秒、復路3分45秒を引いて、現在の最高記録を上回るケースをまとめました。
復路1位最高記録
5時間20分50秒 駒大 2025
2019年大会以前の最高記録
5時間23分49秒 青学大 2019
復路2位最高記録
5時間21分18秒 青学大 2025
2019年大会以前の最高記録
5時間24分24秒 東海大 2019
シューズ分を引けば昔の方が良かったと思う記録は、2023年大会終了時点では13もあったのですが、前回大会で13→4に激減し、今大会で4→2と更に半分になりました。
総合と往路ではすでに存在せず、復路1位と復路2位のみです。
ここ2大会の選手達には本当に感謝しています。
シューズで記録がめちゃくちゃになった2020年大会は今でもトラウマですし、昔の方が良かったと思いながら見るのもストレスですから。
残り二つも早く上回って欲しいですが、復路のシューズ効果を3分45秒としているのは別に科学的に計算したとかではなく、大まかな予想です。
前回大会終了時点では、2019年大会以前の最高記録と比べて復路1位は2分13秒、復路2位は7秒上回るに留まっていて、シューズ分を考慮すると昔の方が上だろうなと思っていました。
しかし今大会が終わり、復路1位は2分59秒、復路2位も3分06秒と、2019年大会以前の最高記録を3分前後も上回りました。
現時点ですでに差はほとんどないと言っても良いでしょう。
2019年大会の復路2位の東海大の記録は、5人中4人が高反発シューズを着用しての記録ですから、なお更3分45秒に拘る必要はないでしょう。
ちなみに同じ2019年大会青学大の復路1位記録は、5人中1人が高反発シューズ着用の記録です。
・ 平均区間順位
20チームの平均区間順位です。
総合成績の順に並べました。()内は平均区間順位の順番です。
1位 青学大 3.3 (1)
2位 駒大 3.4 (2)
3位 國學院大 6.9 (3)
4位 早大 7.6 (5)
5位 中大 7.1 (4)
6位 城西大 8.1 (6)
7位 創価大 9.5 (11)
8位 東京国際大 9.4 (9)
9位 東洋大 9.1 (7)
10位 帝京大 9.1 (7)
11位 順大 9.4 (9)
12位 日体大 9.7 (12)
13位 立大 11.6 (13)
14位 中央学大 12.2 (14)
15位 法大 14.0 (15)
16位 神奈川大 15.9 (19)
17位 専大 15.4 (17)
18位 山梨学大 14.3 (16)
19位 大東大 15.6 (18)
20位 日大 17.6 (20)
前回大会に続いて青学大、駒大で1番、2番ですが、前回は青学大2.3、駒大4.3と2倍近い差があったのに対して、今大会は青学大3.3、駒大3.4でほぼ互角。
駒大は前回大会と同じ総合2位とはいえ、大きくタイムを伸ばしてきており、平均区間順位が良くなるのも当然ですね。
青学大は前回大会とほぼ同じタイムで走っているのに平均区間順位を落としてしまったのは、4区~6区などでエース級の飛びぬけた走りでタイムを稼いだからでしょう。
他の区間上位者に大差をつけて区間1位になると、1以上の価値がありそうなのに1として計算する事になるので、総合成績が良い割りに平均区間順位は悪くなりやすいです。
エース力で戦うチームは平均区間順位では不利になりやすいですが、それでも青学大を相手に平均区間順位で0.1まで迫り、総合タイム差も3分未満に抑えた駒大の健闘は見事でした。
青学大は初優勝した2015年大会以降、勝つ時は圧勝というケースがほとんどでしたが、今大会の駒大は最も青学大を苦しめた走りでした。
シードを獲った全チームが平均区間順位10以下。
ちょっと気になったのは総合7位の創価大です。
平均区間順位は9.5で他のシードチームに劣りませんが、平均区間順位の順番では11番でした。
1区が区間2位と23秒の僅差で走りながらも区間17位という成績だったので、この影響でしょうか。
平均区間順位10以下が6チームしかなかった前回大会と比べると、シードを獲ったチームがみんな10以下なのは順当な結果と言えそうですが、今大会は逆に多過ぎて12チームもあったので、9.4の順大、9.7の日体大がシードの椅子からあぶれる事に。
惜しくもシードを逃したチームとして7秒差で届かなかった順大ばかりが話題に上がりますが、1分24秒の差がついた日体大も平均区間順位では9.7の好順位でした。
これまでのシードライン最速記録を2分以上上回る10時間56分22秒のタイム、往路10位復路9位の成績、平均区間順位は9.7位。
これでシード落ちは珍事です。
逆に考えて、総合タイムは11時間オーバー、往路11位以下復路11位以下、平均区間順位は二桁、だけどシードは獲得、そんな逆パターンチームもいつか出てくるかも知れませんね。
その時には今年の日体大を思い出すかも知れません。
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