過去の記録との比較 総合編
90年代以降に使われた総合コースについてまとめてみました。
90年代以降に使われたコースは以下の4つです。
〜98年コース ※1
80年代から98年にかけて使われたコースです。
早大と山梨学大の熾烈な優勝争いや、山梨学大11時間切りの大会新記録、中大32年ぶりの優勝、神奈川大2連覇などの出来事がありました。
99年コース
10区が日本橋を通るルートになり前年までと比べて1.7km延長されました。
翌年に5区、6区が変更されてしまったため、このコースが使われたのはこの年1回だけです。
順大が10年ぶりの優勝を達成しています。
00年〜14年コース
5区と6区のコースが僅かに変更され、99年と比べて4mずつ、合計8m延長されています。
駒大と順大の紫紺対決や、駒大4連覇の黄金時代、早大の距離延長後は初となる11時間切りの大会新記録、柏原選手を擁する東洋大の台頭などがありました。
06年に4区が2.5km短縮され、5区が2.5km延長されていますが、総合距離には変化なしとされ、00年〜14年の15大会は同一のコースとして扱われています。
15年〜コース
5区と6区のコース変更があり約20mずつ、合計約40m延長されています。
陸上雑誌などにも「約」のつかない正確な延長距離は載っていません。
コース変更されたばかりの15年に青学大が10時間49分台の前人未到の大記録を出しています。
〜98年コースと99年コースの比較
99年コースの方が10区が1.7km長いです。
10区の距離は98年時点では21.3kmで、99年時点では23.0kmなので、10区の選手のタイムを21.3km←→23.0kmで換算します。
99年コースと00年〜14年コースの比較
00年〜14年コースの方が8m長いです。
選手の速度が時速20kmならば、00年〜14年コースの方が1.44秒余計にかかります。
00年〜14年コースと15年〜コースの比較
15年〜コースの方が約40m長いです。
40mと仮定し、選手の速度が時速20kmならば、15年〜コースの方が7.2秒余計にかかります。
現在と90年代のチームの比較
90年代に、当時最速の11時間切りの記録を出した山梨学大。
その記録10時間59分13秒は、現在の距離に換算すると約11時間04分32秒になります。
(当時の10区のタイム1時間04分58秒を現在の10区の23kmに換算して1時間10分09秒。それに5区6区が約48m延長された分の8秒余りを足して小数はカット)
青学大の10時間49分台の記録と比べれば、15分以上の差になってしまいます。
90年代最速の山梨学大ですらこの差ですから、他の90年代の優勝チームがもし現代の青学大と勝負したら、復路鶴見中継所では繰り上げスタートすら気になってくる差になってしまいます。
もちろん時代が違うので、90年代のチャンピオン達は偉大ですが、近年の箱根駅伝の進化の早さは驚異的です。
※1
〜98年コースですが、いつから使われていたコースなのかは私の持っている資料では判断出来ません。83年に2区と9区が短縮されているので、83年以降なのは確実です。84年に4区が0.1km短縮されていますが、5区にも変更があり0.1km延長されています。86年には6区が0.1km延長され、7区が0.1km短縮されています。中継所の位置だけが変わり、総合距離に変化がない場合は、06年のように大会記録はそのまま残る例もあります。
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