2024年大会 隠れ28分40秒切りランナー



かつて1万m29分切りは1流選手の目安でした。

シューズが進化した事により記録水準は大きく上昇していますので、20秒上げて28分40秒切りが現在の目安かと思います。



かつての学生長距離では

5km14分00秒(1km2分48秒ペース)、

10km29分00秒(1km2分54秒ペース)、

20km60分00秒(1km3分00秒ペース)

これらを切れるかどうかが好タイムの基準でした。

距離が2倍になると1kmあたりのペースが6秒落ちる法則性があります。

5km13分50秒、10km28分40秒、20km59分20秒の三つもほぼ同価値と考えられるので、距離の違いに伴うペースの変化も考慮して、全日本8区間における10km28分40秒とほぼ同じ価値になる記録を計算すると以下のようになります。

1区9.5km  約27分09秒

2区11.1km 約31分59秒

3区11.9km 約34分24秒

4区11.8km 約34分06秒

5区12.4km 約35分55秒

6区12.8km 約37分08秒

7区17.6km 約51分53秒

8区19.7km 約58分24秒

早見表

※レース展開、気象条件、コースのアップダウンは考慮していません

※近似値を使った計算なのであくまで「約」がつきます





エントリーされた選手の中で、1万mのベストタイムで28分40秒切りを達成出来ていない、かつ、今シーズンの全日本の区間タイムが10km28分40秒切りに相当する選手をピックアップしてみました。

山口 (早大)
約28分04秒相当 (2区31分20秒)

吉田 (創価大)
約28分10秒相当 (5区35分18秒)

山川 (駒大)
約28分32秒相当 (8区58分10秒)

柴戸 (帝京大)
約28分33秒相当 (3区34分16秒)



山口選手のベストは5千m13分34秒、1万m29分35秒、ハーフ61分14秒。

露骨に1万mだけ持ちタイムが変です。

他から考えて28分一桁くらいのタイムは出せそうなので、全日本のタイムは予想通りでした。



山川選手は去年の全日本は4区を33分41秒で走り、約28分18秒相当。

箱根5区でも70分45秒の快走を見せており、28分10秒くらいの力はある気がします。

強豪駒大における実質的なナンバー4でしょう。

今年の全日本は約28分32秒相当ですが、気温が高い上に8区は上りもあるので、実際のパフォーマンスはもっと上になるはずです。

持ちタイムが30分台なので、早く実力に見合うタイムを出して欲しいです。



そして、東海大から創価大に移籍して山の神を目指す、今期注目の吉田選手。

5区68分45秒を目標としているそうですが、この平地の走力から予想すると70分台後半くらいかと思います。

今年の全日本の気象条件を加味するともう少し伸びるかも知れませんが。

山の神になるにはやはり適性が何より大事。

吉田選手は前々回の箱根では平地での実績がない中で70分44秒で走っているので、今の走力と上り適性が合わされば記録を大きく伸ばせるかも知れません。

しかし、もしも前々回が平地で高い走力を持ちながらそれがタイムに現れていない「隠れ走力タイプ」の選手だったとしたら難しそうですね。

走力だけで68分45秒を出すには27分台前半の力が必要かと思います。

現時点では適性タイプか走力タイプか判断がつきませんので結果を待ちたいです。





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