2025年大会 隠れ28分40秒切りランナー



かつて1万m29分切りは1流選手の目安でした。

シューズが進化した事により記録水準は大きく上昇しており、現在の28分40秒切りが以前の29分切りと同じくらいの価値かと思います。



かつての学生長距離では

5km14分00秒(1km2分48秒ペース)、

10km29分00秒(1km2分54秒ペース)、

20km60分00秒(1km3分00秒ペース)

これらを切れるかどうかが好タイムの基準でした。

距離が2倍になると1kmあたりのペースが6秒落ちる法則性があります。

5km13分50秒、10km28分40秒、20km59分20秒の三つもほぼ同価値と考えられるので、距離の違いに伴うペースの変化も考慮して、全日本8区間における10km28分40秒とほぼ同じ価値になる記録を計算すると以下のようになります。

1区9.5km  約27分09秒

2区11.1km 約31分59秒

3区11.9km 約34分24秒

4区11.8km 約34分06秒

5区12.4km 約35分55秒

6区12.8km 約37分08秒

7区17.6km 約51分53秒

8区19.7km 約58分24秒

早見表

※レース展開、気象条件、コースのアップダウンは考慮していません

※近似値を使った計算なのであくまで「約」がつきます





エントリーされた選手の中で、1万mのベストタイムで28分40秒切りを達成出来ていない、かつ、今シーズンの全日本の区間タイムが10km28分40秒切りに相当する選手をピックアップしてみました。

谷中 (駒大)
約28分21秒 (4区33分44秒)

馬場 (立大)
約28分16秒 (7区51分11秒)

長屋 (早大)
約28分37秒 (7区51分49秒)

野沢 (創価大)
約28分21秒 (8区57分48秒)



1年生の谷中選手は1万m31分台の選手ですが、5千mのタイムは良く、まだ1万mでタイムを狙う機会がないだけですね。

谷中選手の5千mのベストは13分49秒ですが、全日本のタイムから見ると実際の走力はもう少し上かと思います。



7区で快走して全日本の後半を盛り上げた馬場選手は約28分16秒と出ています。

前回の箱根3区を62分台で走った実力者なので、28分30秒くらいの力はあると思いましたが、今年は更に成長していますね。

予選会でもチームトップになる勝負強さも持っているので、今度の箱根はやはり2区でしょうか。

67分台中盤は狙えるでしょう。



今大会にエントリーされた日本人で28分40秒切りのベストを持つ選手の数は88人に上ります。

トラックの記録を見るときは、シューズ条件が現在と大体同じになるのは2021年大会からだと思いますが、その2021年大会で52人と初めて50人を超えると、62人、68人、74人と年々増え続けて、今回は一気に14人増。

100人突破は時間の問題でしょうね。

28分40秒切りを有力選手の基準と考えるのも無理がある時代が迫ってきています。





「箱根駅伝の話」に戻る